内容説明
パリを離れ、広大な砂漠の地エグゾポタミーに引き寄せられ、鉄道を敷設する男女たち。自在な想像力と奔放な表現力を炸裂させた世界文学史上に輝くスラップスティックコメディの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羽
22
ユーモアあふれる奇想小説。差別的な発言をわきにおけば、登場人物への同情とくすっと笑いが止まらない。ヴィアンは登場人物たちにいやがらせばかりしている。冒頭、ある男が会社行きのバス停で待っている。最初にきたバスは満席。二台目からは三人降りたのに「もともと定員オーバーだった」と乗せてもらえず。三台目のバスにはぶつけられて下敷きになり、起き上がる前にバスが行ってしまう。四台目は整理券を「拾ったもの」だと疑われ…。こんな調子で、当事者たちには申し訳ないと思いつつ、にやにやしながら読んだ。2022/10/11
Hiroki Abe
6
去年の10月くらいに買ってやっとこさ読み終わりました。まず圧倒されたのはあっちこっちに飛びまくる世界線と想像力です。スラップスティック調の軽い文体ながら、私の想像を遥かに超える展開と文章に読みながら頭が拒絶反応を起こして、何度も読み直しを繰り返しました。私の読書力もまだまだ青く、そして、世界はもっと深く広く、そして興味深いということだろう。2023/01/11
まみ
3
ものすごくへんてこ、音楽みたいなお話だった。装丁名久井直子さん、装画ヒグチユウコさん、飾っておきたくなるすてきな本。2023/01/22
Mark.jr
3
"北京"にも"秋"にも全く関係ないのにつけられたタイトルと同じくらいに、内容もまたムシャムシャと音が聴こええるぐらいに人を食ったものです。こういう本は大好きです。2023/01/19
石
3
荒唐無稽理不尽猥雑小説(こういう風にしか形容しようがない) ストーリーはあって無きが如く、登場人物達が好き勝手にはちゃめちゃな言動を起こしていく だからこそそんな彼らが次第に仲違いし、散り散りになっていく展開は余計に物悲しい 説明の難しい怪作2022/10/30