岩波文庫<br> まど・みちお詩集

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岩波文庫
まど・みちお詩集

  • 著者名:谷川俊太郎
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 岩波書店(2022/10発売)
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  • ISBN:9784003120910

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内容説明

だれもが知ってる「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」「ドロップスの うた」――.子どもの世界,自然の不思議,すべてのものや生きものがそのものとして在ること,生かされてここにいることを,生まれて初めて世界をみたような驚きをもってうたいつづけた詩人まど・みちお(1909-2014)のエッセンス.エッセイをふくめた172篇を精選.

目次

【深い夜】
《小学校時代の私》
かたつむり角出せば
宿題
深い夜

丘はぬくとい
魚のように

竹の林
イランイラン
公園サヨナラ
毒ガス

ヨナカノハナシ
ころりんと
水墨抄
はるかな歌
鳥愁
【ぞうさん】
《与田凖一さんと私》
ぞうさん
やぎさんゆうびん
はーい
おさるがふねをかきました
つりかわさん
クレヨンちゃん
なっとうぼうや
あたまのうえには
あめ
ドロップスのうた
スワン
はなび
ぽろんぽろんのはる
はながさいた
たんぽぽ
てんぷらぴりぴり
あめのこ
くまさん
なのはなとちょうちょう
【カといういのち】
《一方性の痛み》
ノートに挟まれて死んだ蚊
蚊をたたいたら
カ(ある ひとが)
カ(ゆうがたに なると)

カ(ブーン と額に)
カ(その 一しゅん)
カ(きえいりそうに)
カ(土のうえには坐らないのか)
カ(どこからか)
カ(きた!)
カ(くらやみのなかで)
カ(このごろ カのあいだで)
カ(はなのさき)
ヤブカ
カよ
カ(ひがくれたへやでひとり)
【この花】
《セルゲ・ポリアコフ「無題」》
この花
アサガオ
サザンカ
ツユクサのはな
ハゲイトウ
ハボタン
ピラカンサ
アカノマンマ
スミレ
ビワのたね
にんげんの家の
タンポポがさいた!
さくらのはなびら

ぼくの花
【いま!】
《動物を愛する心》
うさぎ(うさぎにうまれて)
うさぎ(―うさぎでございます)
しろうさぎ
イナゴ
クジャク
するめ
いぬ
クロとぼく
アリくん
アリ(アリは)
アリ(アリを見ると)
ヤスデ
ヤスデをみると
ノミ
ガガンボ
コオロギ
ことり
スズメ
セミ
ミズスマシ
ヒツジ
ヤギ
すずむしと ほしのこ
さかな
いきものいきてないもの
馬の顔
いま!
【ものたちと】
《黒板》
ものたちと
ものがある
つぼ・Ⅰ
つぼ・Ⅱ
地球の用事
もうひとつの目
ポリぶくろ
ボタン
ガーゼ
かがみ(かがみを 見た)
けしゴム
おしピン
ぞうきん
たたみ
ページ
ほこり
くつべら
さら
ゆのみ
かってに ものたちと
はっぱとりんかく
《「孔子廟」の擬音語》
ひとつのおんのなまえ
「まめ」
はっぱとりんかく
たまごがさきか
へんてこりん
うつくしいことば
くち
木の字たち
【よかったなあ】
《魚を食べる》
春がすみ
水はうたいます
こけこっこう
かがみ(この地球のうえには)
どんぐり
やまびこ
あさつゆ
きょうも天気
よかったなあ
【こんなにたしかに】
《おっちょこちょいの見栄っ張り》
いちばんぼし
リンゴ
かず
つきのひかり

こんなにたしかに
【照レチャウ】
《遠近法の詩》
おならは えらい
おみやげ
朝がくると
うたを うたうとき
ねむり
うそ

チビの ひとし
おんがく
よだれ
そうしき
しろ
妻よ
人間の景色
フト
照レチャウ
いいけしき
《幼年遅日抄・Ⅱ》
【いいけしき】
生まれて来た時
マツノキ
どうして いつも
あかちゃん
つけものの おもし
いわずに おれなくなる
*
なんでもないこと(谷川俊太郎)
まど・みちお略年譜
出典一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

117
まど・みちおという名前は聞いたことがありますが、どのような作品を書いているのかはあまり知りませんでした。有名な童謡の「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」「ドロップスのうた」を作詞されていたのですね。この詩集にはそれらのほかにも多くの子供向けの作品が収められています。作品集についての小文がまどさんの考え方などを表現していてその人となりがよくわかります。わたしは「カ といういのち」という作品集が気に入りました。2019/07/03

さゆ@俳句集販売中

109
人間もまた自然の一部であり、地球にあるものは皆一体であることを感じることができる詩たち。人間は、どうしても歳を重ねるにつれて祖父母や両親が亡くなり、自分を守ってくれる存在というのは消えていってしまう。しかし、大きな自然を前に自分のちっぽけさを確認することで、もう一度守られているような心の支えとなる安心感を得ることはできると感じた。お気に入りは「コオロギ」で、空がおりてきて頬ずりするという描写が良い。 2023/12/12

新地学@児童書病発動中

109
今年読んだ本の中では、これが一番良かった。これまで読んだすべての本の中でも、一番好きだと言い切ってしまいたくなる詩集。生きとし生けるものは、すべて尊いと断言するまどさんの想いの強さが、よく分かるように編集されている。特に「カといういのち」を読むと、なんて優しい人なのだろう、と繰り返し思ってしまう。人に嫌われる蚊について、これほど愛情をこめて書いた人はいないだろう。この優しさ、この繊細さは人類の宝だ。エッセイが収録されているのが有難い。深い思索をめぐらしながら、詩を生み出したことがよく分かった。2017/07/02

naoっぴ

83
まどみちおさんの本は何冊か読みましたが、どの詩も愛情が感じられて好きです。ノミも人間も鳥も石ころも野の花もこの世にあるものは使命をもっていて、価値はみな同じでみな助け合っているというまどさんの考え方に、謙虚な思いを感じます。また同時に私も、いのちや地球や宇宙といった大きな視点からみた人間の在りかたを考えさせられました。間にエッセイも盛り込まれ、まどさんの考え方や詩作、年譜なども入った盛りだくさんな一冊。2017/08/16

Ikutan

73
堀江さんの『なずな』に引用されていた詩に惹かれ、もっと読みたくなり手に取った。収録された172編には、思わず口ずさんでしまう″ぞうさん″などの童謡のほか、生き物はもちろん全てのものへのまどさんの慈しみの眼差しが伺える作品がたくさん。「カといういのち」では蚊をテーマに17編もの詩が掲載され、その繊細な視点に驚く。宇宙や自然..万物の存在を貴び、ボタンやおしぴんの存在にまで同じく心を寄せる懐の深さも瞠目。まどさんの詩には、心を浄化して、敬虔な気持ちにしてくれる言葉の力を強く感じる。谷川さんの解説もよかった。2021/01/21

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