内容説明
大阪のある中学では,2割の生徒の家庭が生活保護を,6割が就学援助を受けているという.学校へ行けるならまだいい,経済的理由で進学できなかったり,中退する生徒も各地で急増している.家庭の貧困は子どもの将来に重大な影響をおよぼしていく.その実態,国・自治体や民間の対策を見つめてみよう.
目次
いすとりゲーム
自立って……
気球社会から砂時計社会へ
カフカの階段
1章 二人のひろし
2章 日雇労働者の貧困 あいりん小中学校
3章 子どもの貧困
4章 大阪市西成区で
1 ケース会議
2 反貧困の教育
5章 激化する貧困
6章 貧困の解決のために
あとがき 池袋から秋葉原へ
イラスト=守谷信介
図版作成=五島工房/シーズ・プランニング
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
83
貧困は社会構造から作られるという事実を分かりやすく解説。著者は各地で現場から声を発している活動家の一人。神戸大学での講義に参加したが社会不適合感がいい感じに出ていておもしろい人間味のある魅力的な方だった。2013/10/31
(C17H26O4)
51
ジュニア新書なので中高生向けだと思うが、大人が読んでも十分良い本。日本の貧困の実情がデータやルポを交えて順を追ってしっかりと分かりやすく書かれている。外国との比較データも様々示されていて、そこから日本の貧困率の高さ、社会保障の少なさが見て取れる。日本の所得再配分の著しい弱さや日本の女性パート賃金の異常な低さには驚いた。貧困の問題を考えることをきっかけに、社会について考えることにもつながる本だと思う。表紙がなんだか昭和っぽいのだが、初版は2009年。もうちょっと若者向けの装画の方がよいのではという気がする。2018/08/30
鷺@みんさー
49
2009年刊。ジュニア新書にしては内容が結構難しいかも。主に大阪の西成での夜回りインタビューからの報告がメインで、日雇い労働者、母子家庭および子どもの貧困をケース付きで紹介しており、豊富な資料から「なぜ貧困になるのか、どうして貧しいのか」を紐解いている。現場の教師や支援者たちが、実際的な寄り添いをしているのがわかる。障害者の貧困に関する章もあり。読み応えはあったが、始終ため息をつきたくなった。2018/07/01
むつこ
21
岩波ジュニア新書ということもあり、とても読みやすい。日本の貧困とは。。。学校・教養は大事ということがわかった。自分のことでいっぱいの親の姿を見ている近隣十院の人々が手を差し伸べることの重要性。もっと、もっと行政が子供の暮らしに携われる、親と子を引き離し保護する法律を作ってもいいと思う。2023/07/24
タマ
6
日本が解決しなければならない問題はこんなにもあるんだと感じました。多くの人が希望を持てる新しい社会を作っていくことが必要です。2016/05/29
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