内容説明
現在,世界では年間約百万人が自殺で亡くなっており,日本においても毎日80人近くの人が自ら命を絶っている厳しい現実がある。特に,若い世代(10代後半から39歳)においては自殺が死因のトップという深刻な状況がみられるとともに,いじめ,不登校・ひきこもり,非行といった学校問題と結びついた子どもの自殺の実態が注目されている。また数多く存在する,自死遺族・遺児やハイリスクな子どもへの対応は喫緊の課題である。
本書は,二十年余りにわたって学校教育の現場で教師・スクールカウンセラーとして自殺予防教育に関わってきた著者による,子どもの自殺リスクとアセスメント・危機介入についての「新しい自殺予防プログラム」をまとめたものである。
著者は数多くの詳細なデータを駆使し,自殺に関する基礎知識を整理したうえで,米国やオーストラリアにおける自殺予防教育を参照し,「教師を対象とした自殺予防プログラム」「子どもを対象とした自殺予防プログラム」の二つを本書で提示する。さらに後半では,学校現場における自殺リスクへの対応の実際を事例に沿って解説している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
U-Tchallenge
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新型コロナウイルスの影響からか、自殺者数が昨年に比べると増えている、ということを耳にした。実際に自殺の報道を多く耳にしている。だから、子どもたちだって自殺に関する情報を持ってしまっている状況にある。だからこそ、何も手を打たないのではなく、何かしらの働きかけはすべきではないだろうか。そのことは本書の中でも著者が触れている。現在の社会状況を考えると、子どもたちへの自殺予防教育の重要性は高まっている。だから、どの教師にとっても、一度は目を通してみてもらいたい一冊である。2020/11/03
U-Tchallenge
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自殺予防教育について積極的に取り組んでこられた著者の一冊。子どもの自殺の現状(もちろん、刊行当時のデータなので多少古くなっている)から、子どもたちへの自殺予防教育の必要性を感じられる内容となっている。そこから、具体的な実践例が挙げられている。実践されているからこそ、その記述の重みが感じられた。ただ実践を提示されているわけではなく、学術的な裏づけも載せられている。だから、少々読むのには骨がおれるかもしれない。でも、子どもたちへの自殺予防教育について考えたい者にとっては必読の一冊には違いない。2020/07/08
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