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内容説明
能は退屈どころか、本当はとてつもなく面白い。700年におよぶ日本の伝統文化の蓄積があるからだ。太閤・秀吉や五代将軍綱吉は相当な能狂いだった、桃山時代までの能は今のおよそ2倍の速度で演じられていた、世阿弥の晩年はよくわからず、その著書『風姿花伝』は明治末年まで一般にはその存在すら知られていなかった――等々、能の歴史を楽しく学びつつ、日本の伝統芸能の本質も理解できる。日本人なら教養として知っておきたい、確かな史料に基づいた能楽史の入門書決定版。
目次
はじめに
第一章 能の成立と世阿弥
1 すべては〈翁〉からはじまる
2 「もうひとつの能」
3 美少年と将軍
4 『風姿花伝』のよみどころ
5 戦乱の世を生き抜く役者
第二章 太閤の能狂い
1 実力は「神変奇特」
2 壮大な自画自賛
3 かつて能は、もっと軽快だった
第三章 武家式楽の裏側
1 「犬公方」は「能公方」
2 大名になった能役者
3 チャカポンの井伊直弼
4 熊さん、八っつぁんの能見物
第四章 能の近代
1 能の「御一新」
2 「天覧」を争う旧公家・大名と元勲
3 能面流転
4 新作と廃曲のあいだ
むすびに
参考文献
能楽史年表
人名索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
103
六点は能楽が解らぬ。実のところ、マトモに鑑賞もしたことがない。大晦日、テレビをツケっぱにして、寝込み、4時過ぎに目を覚ました時、教育テレビで三番叟をやっているなと思うくらいである。この本を読んで、能を見に行くとは考えづらい。狂言は岩波の古典文学大系を買う程度には好きなんだけどな。書中の「室町時代の能は3割以上上演スピードが早かった」と、言う試みを再度行うのなら、能を見るのも吝かでもない。朝日新聞謡曲研究会作『新作能:朝日新聞社』なるもの、少し見てみたいと思った六点は、著者の術中にハマりつつあるのかもしれぬ2022/11/09
zag2
31
新書で、およそ七百年にわたる能楽の歴史を通観するというのは、ある意味大胆な試みだが、専門的すぎず、それでいて大事なところは逃さず、興味深いエピソードも書かれている良くできた著作と思います。「むすびに」として書かれている、素人弟子によって支えられてきた近代の能楽の構造が崩壊しようとしている今、観客の数を追うのではなく、本質を理解する観客を育てていくことが重要という言葉は、ものすごく難しいけれども、能楽に残された進むべき道だろうと思います。2023/01/17
りらこ
26
平安時代に伝わった散楽、翁の流れから猿楽、田楽、観阿弥世阿弥、今ミュージカルで話題の犬王などワクワクしながら読ませる能楽の歴史。そこから秀吉が能にどハマりして周りがもうお年なんだからやめたら良いのにと思いながらも渋々お付き合い。あろうことか天覧能で演じるとか秀吉らしくて。間狂言は今は伝わっていない『耳引』を秀吉家康利家でどうやらお互いの耳を引っ張りあった様子。引っ張りすぎても秀吉怒らせたらやばいやばい。江戸時代は武家の能になったけどおめでたい時は江戸の町民を江戸城に呼んで町入能。昭和の言論統制の波。面白い2023/05/24
mazda
9
観阿弥・世阿弥は覚えられました。能舞台も近くにあるので、一度は見に行ってみたいと思っています。2023/07/21
さとうしん
8
義満、秀吉、綱吉など権力者と能楽の歴史。「教養としての」と題するからには能楽自体の基礎知識や主な演目の紹介を期待したが、その方面の記述は意外に乏しい。(ただし演目に関しては太閤能のような特定の時期の演目の紹介はある)能の上演時間が時代が進むに連れて延びていくといったような豆知識は面白い。2022/10/13
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