「女の痛み」はなぜ無視されるのか?

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「女の痛み」はなぜ無視されるのか?

  • ISBN:9784794973344

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内容説明

臨床試験で女性が排除される、コロナ禍でマイノリティの人々が受ける影響、アメリカで中絶の権利が争点になる理由は

著者がアメリカで出産したとき、彼女は死にかけた。痛み止めが効いていないと訴えても無視された。痛みを証明するために手術台まで歩くように言われた。
彼女はこの医療トラウマ体験をきっかけに、女性の痛み、特に有色人種の訴えがまともに受け止められない事実を、
あらゆるデータ、記事、証言をもとに執筆した。
さらにコロナ禍で女性、マイノリティの人々が受けた甚大な影響も考察する。
初期設定が男性になっている現状は、医療ケアにおいても例外ではない。
「女の痛み」が軽視されている事実と、医療ケアにおける性差別・人種差別に切り込むノンフィクション。

「女性の痛みという概念が、世界中でどのように捉えられ、管理され、考えられているかを見れば、それは常に男性や『文化』によって定義されてきたことがわかる。多くの社会では男性による支配が続いていることから、女性の痛みや苦しみに対する世界の認識は、女性ではなく、男性によって確立されてきたのだ」(「日本の読者へ」より)

「困惑させられたのは、『女性は自分の健康や身体について決めることができない』と、いまだに世間が思い込んでいる点だ」(5章「知られざる女性の身体」より)

「私はできる限り、フェミニズムと平等主義を重んじる結婚生活を送っていた。そんな夫婦ですら、コロナは伝統的な男女の断層を露呈させた。ロックダウンで誰もが自宅で仕事をするようになれば、より稼ぎの多い人の仕事が優先されるようになる。気づけば夫は自宅のオフィスを占拠しており、私はやむをえず家庭という領域に追いやられた。まるで、1950年代の主婦みたいに」(5章「知られざる女性の身体」より)

(目次)
日本の読者へ
本書に寄せて――ジェシカ・ヴァレンティ
はじめに

第1章 私が出会った最初のフェミニスト
第2章 バングラデシュ女子、キャピトル・ヒルに立つ――アメリカでの中絶の権利をめぐる混沌
第3章 気のせいにされる有色人種の女性の痛み
第4章 見えない症状
第5章 知られざる女性の身体
第6章 コロナ禍で妊娠するということ
第7章 代替手段の模索
第8章 自分の体の声の一番の代弁者になるには
第9章 自分の声を届ける

おわりに
謝辞
訳者あとがき
出典

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

mana

108
図書館本。無痛分娩が広がらないのはなぜ?と思ったところから手に取った本。著者はバングラディシュ出身アメリカ在住。女性の痛み…出産や手術の痛みは無視される。それが黒人、有色人種なら尚更。「ドラッグ中毒か?」と思われたり、ヒステリーや不安だと思われ、流されたり。医師にも「黒人は痛みに強い」という偏見があり、数々の衝撃的なデータに絶句。それらはパンデミックによって浮き彫りにされ、問題化されている。フェミニズム的に、もっとヒステリーを活用して伝えていくべきだと著者は書いている。2025/08/08

ネギっ子gen

59
【女性の痛みという概念が、世界中でどのように捉えられ、管理され、考えられているかを見れば、それが常に男性や「文化」によって定義されてきたことがわかる】女性健康関連の法律に重点的に取り組む、バングラデシュ出身のアメリカ人・フェミニスト政策アナリストが、医療における性差別と人種差別によって女性が健康を損ねている、アメリカにて現在進行形で起こっている問題を綿密な調査から明らかにしたノンフィクション。原書は2021年に、翻訳は22年刊。<女性、特に有色人種の女性が医療現場で軽視される問題について提起する>と。⇒2026/04/02

katoyann

19
アメリカでフェミニズム政策のアナリストとして活躍する著者が、アメリカにおけるリプロダクティブ・ヘルスの問題について告発した本。先進国でありながら妊産婦死亡率が高く、その多くは黒人を中心とした有色人種の女性に集中しているという。原因は、医療における人種差別と女性差別にあり、女性が出産の時に感じる異常な痛みを訴えても無視された結果、命を落とすケースが幾つか紹介されている。コロナ禍に自身のコロナ感染に気づき、必要な処置を訴えたのに無視されて亡くなった黒人の女性医師の例を見ると、差別の根深さを感じた。2026/03/07

紅咲文庫

17
冷静に告げられる数値が俄かには信じ難い。感情も追いつかない。性差別、人種差別、“暗黙の偏見“ではなく他の理由ではないのかと思いたい。でも恐らくは著者も何度も問い直し見つめ返した末の、やはりそうだという解が本書なのだ。アメリカの妊産婦死亡率はイギリスの3倍。そして母親世代より現代のほうが死亡率が高い。ルイジアナ州の妊産婦死亡率は出生10万人あたり44.8人。同州での黒人の母親の死亡率は出生10万人あたり72.6人。日本はいま調べたら2020年の数値で2.8人。ほんとにこのアメリカの数値は衝撃的。2023/01/26

*+:。.もも.。:+*

13
出産中に麻酔が切れてしまい訴えても聞いてもらえなかったという話から始まったが段々と有色人種が差別されている話になってしまう。ワクチンや新薬の研究は男性にしか研究されていないから女性、中でも妊婦は治療を蔑ろにされているとも書かれている。でも新型コロナワクチンは実験台覚悟で接種したという看護師の話も。治験が男性中心なのは仕方ないんじゃないかな。妊娠している状態で治験に参加してくれる人がどのくらいいるのだろう。同じ女性として読んでいても無い物ねだり何じゃないかなと思った。タイトルで期待した内容ではなかった。2025/07/18

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