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内容説明
都会で暮らす私は、育ての親であるおじの召使いから、故郷での異常事態について知らされる。祖母に取り入った居候が口八丁を弄して家庭の権力をほしいままにしているというのだ。彼と対決すべくかの地に向かうが、癖のある客人や親戚たちの思惑にも翻弄され、予想外の展開に……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
135
訳者は「ユーモア小説」としているが、自分の親戚が他者の思うがままに支配される有様を直視しなければならないとは下手なホラーより恐ろしい。祖母に取り入って伯父の家を支配する居候の煽動政治家かカルト宗教の教祖を思わせる洪水の如き弁舌は、相手に反論の隙を与えず罪悪感を抱かせて何でも要求を受け入れさせてしまうのだから。そんな怪物におもねる周囲の連中は、利権を求め権力者に群がる現代人と何ら変わらないあさましさだ。筒井康隆の精神がドストエフスキーに転移して書かせたかと錯覚するほどで、晩年の大作より預言的な響きを感じる。2023/01/04
藤月はな(灯れ松明の火)
73
人の良さが美徳である叔父の家を御託を並べて支配するよからぬ輩とその取り巻きがが支配している事を知ったセリョージャ。早速、叔父を助けに行くが・・・。ドスト作品特有の「人の話を聞かずにノンブレスで喋りまくる人々」が炸裂。ほとんど、会話文なので地の分が出てくると一息できる始末です。最初、セリョージャのフォマーに傾倒する余り、伯父さんを一緒になって罵る祖母への心の中での悪口が的を得ていて吹きそうになりました。しかし、余りにも人が良いためにフォマーの軽口に流される伯父さんに苛々する様になるとは思いもよらなかった。2022/11/27
ベイス
69
極端にキャラ化された超個性的な登場人物が喧々諤々ドタバタを繰り返す、その後の作品に見られるドストエフスキーの特徴的な技法が本格的に現れだした作品だと思う。長広舌、執拗さにうんざりするかワクワクするかは意見が分かれるだろうが、ここまでトコトン人物を描写し性格を言語化できる筆力はもうあっぱれであり、いよいよ長編を書く準備が整ってきたという解説は興奮しかない。フォマーがゴーゴリなのか『二重人格』の「新しいゴリャートキン」なのかはともかく、こんなに憎たらしい人物はたしかにほかにちょっと思い浮かばない。2026/04/12
NAO
65
ステパンチコヴォ村の領主屋敷を舞台とした、ドストエフスキーには珍しいドタバタコメディ。再婚した夫の死後息子の屋敷に居候たちもろとも引越してきた将軍夫人。将軍夫人と彼女の取り巻きに絶大な支持を得ており、ステパンチコヴォ村に来て将軍夫人以上の横暴ぶりを発揮するフォマー。この二人に対してなんらなすすべもない善人の見本のような領主ロスタネフ。おじを救うべく都会から戻ってきた語り手のセルゲイ。ドストエフスキーならではの超個性的な人々の饒舌。ハッピーエンドの喜劇とはいえ、フォマーの怪物ぶりに空恐ろしさを感じる。2022/12/11
星落秋風五丈原
39
伯父の陸軍大佐エゴール・イリイチ・ロスタネフは退役後遺産で手に入れたステパンチコヴォ村に移住する。軍の規律正しい生活からいきなり村の牧歌的な生活は大転換だが、伯父はうまく馴染んだようだ。伯父は容姿端麗で40歳、妻は病没し、8歳の息子イリューシャと15歳になる娘サーシェンカが父親と一緒に村にやってきた。親子3人水入らずののどかな暮らしと思いきや大佐の母がとんでもないキャラ!これだけでも大変なのに、更に目の悪くなった将軍の読み聞かせとして雇われたフォマー・フォミッチ・オピースキンが現れたからさあ大変。 2023/01/23
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