なぜ生きる意味が感じられないのか - 満ち足りた空虚について

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なぜ生きる意味が感じられないのか - 満ち足りた空虚について

  • 著者名:泉谷閑示
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 笠間書院(2022/09発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784305709691

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内容説明

なぜ学校に行くのか、
なぜ仕事をするのか、
そもそもなぜ生きるのか……?
物質的な不足や社会的な不自由さがない状況で抱く「空虚感」とどう向き合うかを考える一冊。

目次

はじめに

第1章 現代の空虚とは
時代の変遷と空虚の問題
現代はどんな時代か
「生きる意味が感じられない」という苦悩
「満ち足りている」のに「満たされない」心
先が見えないという不安・先が見えたという絶望

第2章 現代人は進歩したのだろうか
情報過多がもたらすもの
オーヴァー・コミュニケーションの弊害
内省の軽視からメメント・モリへ
文化の菲薄化・幼稚化
神話を失った現代人

第3章 無気力病の背景
「面倒くさい」はどこから来るのか
行き過ぎた効率重視
インスタント病
「たかを括る」ことで失われる「経験」

第4章 憧れの喪失
憧れに生きるモデルの不在
奥行きのないものによる気晴らし
舞台裏を見せ過ぎることの問題点
バブル経済の負の遺産
本物が伝えられていない

第5章 幻滅と諦め
“ロゴス・クラッシャー”による不条理に満ちた世界
「ロゴス」が壊されると人はどうなるのか
「荒れ地」としての現代
踏み込まない・踏み込ませないという心理
牙を抜かれた人々
 
第6章 空虚からの脱却
第2楽章のペシミズムの先にあるもの
人間の変化成熟過程
ペシミズムの泥沼化
「ロゴス」を取り戻す

第7章 人間であり続けるために
「考えない」から「真正面から考える」へ
純粋さを死守する
永遠にして女性的なるもの
待つ力・信じる力・憧れる力を取り戻す
どこまでも「ロゴス」の側に立つということ
目に見えぬものの大切さ
愛する存在としての人間

おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tamami

54
『なぜ生きる意味が感じられないのか』という書名に惹かれて手に取る。身近な人々の中に、老若男女を問わず心に陰を持ち普段の生活もままならない人々が増えているように思うからだ。先が見えないと不安に思い、先が見えたといって絶望する、そんな心のあり方をはじめ、情報過多の弊害や効率重視で失われる実体験など、生きる意味が感じられにくい現代を分析し、それに対する処方として、待つ力、信じる力、憧れる力という心の大切さを説く。あの人この人、あの子この子と身近な人々の心について考える糸口を与えられる。私ができることは何だろう。2022/11/18

tamami

50
10代、20代での自殺が世界一多い日本。私の周りにも若くして命を絶った人が何人かいる。何がそのような事態を招いているのか。問題解決への糸口があるやも知れぬ、そんな思いで本書を再び手に取る。本書では様々なことが語られているが、印象に残った幾つかのフレーズを記すことにする。・子どもたちは、果てしなく求められる義務に追い立てられる日々を送る中で、「生きること」とはすなわち、際限なく求められる課題をこなすことなのだと学習してしまう・人間は、「頭」というコンピューター的な情報処理部分と「心=身体」という自然由来の部2023/04/27

霊滅術師 カイクウ

4
テレビやインターネットからあらゆる「解」がインスタントに手に入る現代では、解に至るまでの「過程」は無駄なものに思えて、人は無気力になり、空虚を感じてしまう。しかし本来、現実の世界においての気づきや発見といった「解」はそんなに簡単に得られるものではない、これはインターネットがあろうとなかろうと変わらない事実である。目的や結果のためではなく、行為や過程そのものを楽しんでいる時に人間は生きる意味を感じる。それが有益か無益かは関係無い。合理的判断をする頭と、非合理なものを信じる心のバランスを取りましょう。2023/02/18

3
タイトルに釣られた感。第1章の現代人が抱く空虚感についての考察は面白かったが、それ以降は残念ながら著者が影響を受けた名著からの切り貼りになってしまっている…現在の大衆文化を幼稚・安っぽいとフルボッコにされてるけど(まあ分かる部分もある)、この本も大概俗っぽいと思う。2023/05/20

野比のび太

2
YouTubeなどの無料コンテンツをダラダラと見てしまう我々に刺さる2023/05/04

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