中公新書<br> 帝国日本のプロパガンダ 「戦争熱」を煽った宣伝と報道

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中公新書
帝国日本のプロパガンダ 「戦争熱」を煽った宣伝と報道

  • 著者名:貴志俊彦【著】
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 中央公論新社(2022/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121027030

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内容説明

日清戦争に始まり、アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中開戦以降、戦いは泥沼化し、国力を総動員するため、政府・軍部・報道界は帝国の全面勝利をうたい、プロパガンダ(政治宣伝)を繰り広げた。宣伝戦はどのように先鋭化したか。なぜ国民は報道に熱狂し、戦争を支持し続けたのか。錦絵、風刺画、絵葉書、戦況写真、軍事映画など、戦争熱を喚起したビジュアル・メディアから、帝国日本のプロパガンダ史を描きだす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

103
アジア太平洋戦争の敗北で終わった帝国日本。日中戦争以降戦いの泥沼化時に国力の総動員のため政治・軍部はプロパガンダを様々なメディアを使って繰り広げた。国民は熱狂しスローガンを鵜呑みにせざる状況になった。古くは錦絵、風刺画、絵葉書。写真、映画など戦争を鼓舞するプロパガンダ史がしょうかいされている。「欲しがりません、勝つまでは」や「1億総火の玉だ」のように有名なスローガンがある。最近でも元首相の「美しい国 日本」が有名だ。このスローガン、当初から胡散臭さを感じていた。いい言葉には眉に唾をつけるべし。 2022/08/01

HANA

72
大日本帝国と戦争、日清日露戦争から太平洋戦争に至るまでの戦争と報道の関係性に注目した一冊。明治では錦絵新聞や絵葉書等で割と駘蕩とした雰囲気だった報道が、技術の進歩に伴いプロバガンダの手段となっていく様が極めて興味深い。転換点はやっぱり30年代かなあ。他にも日露戦争においては日露両国の民間報道が互いに戦勝を主張していたり、朝日新聞が速報を届けるため専用機を使ったりとあまり知られていない細かいエピソードが面白い。扱う範囲が広いため一つ一つを深く掘り下げてはいないが、報道史の概略として面白く読む事が出来る。2022/08/21

skunk_c

64
日清戦争からアジア太平洋戦争後の占領期までを、おおよそ10年で区切りつつ戦争と宣伝(序章のタイトルだが、こちらの方が書名としても適切な気がする)をまとめたもの。想像で描かれる錦絵から写真、映画とメディアが深化していったことや、軍の検閲、特に日中戦争からの新聞社の動向とその戦争責任、さらには戦争相手国の宣伝にも目配せがされており興味深い内容だった。ただ、政府機関や軍のプロパガンダについてはあまり踏み込まれていなかった。この点は辻田真佐憲『大本営発表』(本書の参考文献にもある)と併読すると良いと思った。2023/10/21

まると

30
先の戦争で大衆の戦争熱を煽った媒体というと真っ先に新聞を思い浮かべるが、一読して知らされたのは、かつては錦絵や絵はがき、写真グラフ誌といったビジュアル媒体の方が庶民の人気を博し宣伝効果も抜群だったということだ。戦地で撮った写真を空輸してまで速報性を競った新聞も、軍部の検閲が強化されて敗色が濃厚になってからは多くの写真が掲載不可となり文字ばかりになっていった。戦中の新聞に写真が少ない理由の一つはそこにあるのだろう。活字よりも視覚に訴える写真や動画の方がバズりやすいのは今も昔も変わらない現象なのかもしれない。2024/03/09

雲をみるひと

28
日清戦争期から太平洋戦争終結直後までの軍部とメディアの関係史総論のような内容。日本のみならず紛争相手国や関係国の各時代の傾向や状況も範囲に含まれていて網羅性が高い反面、事象が眈々と書かれていることもあり、総花的で深掘りされていない印象も受ける。2023/01/11

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