新潮文庫<br> 銀花の蔵(新潮文庫)

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新潮文庫
銀花の蔵(新潮文庫)

  • 著者名:遠田潤子【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 新潮社(2022/10発売)
  • 5/5はこどもの日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101043517

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内容説明

私は、この醤油蔵の当主になる! 大阪万博前夜。父の実家である奈良の由緒ある醤油蔵で暮らすことになった少女、銀花。蔵を切り盛りする祖母の多鶴子ら一家に馴染もうとするが、母の盗癖、祖母と父の不仲、自らの出生に関する真実に悩む。やがて成長し蔵を継ぐため奮闘する銀花は、一族の秘められた過去を知ることに――。家業に身を捧げ、新たな家族を築く女性の半生を力強く描く長編小説。(解説・大矢博子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

189
正に雲外蒼天、至極の読後感はまるで高田郁作品を読んだ時のような余韻を齎す。150年続く醤油蔵を継ぐ主人公銀花の生涯を描く物語は蔵の改装工事の際、子供の白骨が見つかるところから始まる。発見したのは主人公銀花。物語は銀花の子供時代へ遡る。絵を描くことが好きな父、料理上手な母、当主としての厳しさを発揮する祖母、友達との関係の中で、銀花の思いやりは『重い槍』へと歪んでいく。意図しない歪が呼ぶ絶望、でも銀花は諦めない。希望を諦めない。やがて訪れる結末。家族とは何か、幸せとは何か。きっと貴方も銀花を好きになる‼️🙇2024/04/22

相田うえお

86
★★★★☆23046【銀花の蔵 (遠田 潤子さん)】大抵の人は醤油っていうと量産品をスーパーで買うことが多いと思うんですが、手造りの醤油っていうのは味わいが違うんでしょうね。本作品は、醤油蔵を主な舞台とし1968年の夏から2018年の春にも及ぶ壮大なスケールの話です。とにかく色々な出来事があって目を離す暇がないんです。因果応報,座敷童,家業,夾竹桃などがキーワードでしょうか。遠田さん作品を読む度に間違いなし!って言ってるんですけど(マジで今までハズレなし!)これもほんと素晴らしかったです!おすすめです!2023/07/03

Shoji

36
奈良の橿原で代々続く醤油蔵の当主とその家族の物語。血の繋がりより濃いものとは何か、罪を背負った人間の辛さとはいかなるものか、家とは何か、家族とは何か、考えさせられる作品でした。この作者、波乱万丈の人生を描かせたら天下一品ですね。面白かったです。2024/01/10

エドワード

36
1968年。10歳の山尾銀花は、父・尚孝が実家の造り醤油蔵・雀醤油を継ぐため、母と3人で奈良県橿原へ里帰りする。雀醤油では、尚孝の母・多鶴子と杜氏の大原が醤油を造り、銀河の1歳上の尚孝の妹・桜子が暮らしていた。圧倒的な熱量で語られる、半世紀にわたる濃厚な愛憎劇。「山尾家の当主にしか見えない座敷童」とは何者か?座敷童を見たのは、絵描きになりたい尚孝ではなく銀花だった。気丈な銀花は、気難しい多鶴子から醤油造りを習得していく。家族の秘密が暴露されても、家族の絆は続く。それぞれの持つ複雑な内面の描写が見事だ。2023/02/25

Takeshi Kambara

35
父の都合で醤油蔵のある街に引っ越した少女の激動の半生を描いた話。遠田作品だけに単なるお仕事小説だとは思わなかったが、その爽やかな表紙絵からは想像もつかぬ一族の150年近い長きにわたる業と向き合うことになる少女の凄まじい絶望と孤独、そして登場人物達夫々の重い重い運命が明かされる度に彼等の胸の痛みを思うと悲しくて、苦しかった。決して全員バッドエンドとかそういう作品ではないし、むしろ良い部分も沢山あるのだがなかなかズシッと重い。しかしながら醤油の様に深くて濃い、読み応えのある素晴らしい作品でした。2022/11/25

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