内容説明
カリフォルニアで夫を看取り、二十数年ぶりに日本へ愛犬と帰国。“老婆の浦島”は、週の四日は熊本で犬と河原を歩き、植物を愛でる。残りは早稲田大学で、魚類の卵のように大勢の若者と対話する。移動の日々で財布を忘れ、メガネをなくし、鍵をなくし、犬もなくしかけた……思えば家族を、あらゆるものを失って、ここに辿り着いたのだった。過ぎ去りし日を噛みしめ、果てなき漂泊人生を綴る。(解説・ブレイディみかこ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
37
詩人伊藤比呂美さんが、自分の人生を振り返るエッセイ集。生きる上でのいろいろな困難を描きながら、飄々としたユーモアが感じられて、伊藤さんの強靭な精神に圧倒されました。アメリカでの老いた夫の介護。アメリカで日本人として生きる難しさ。友人たちの悩みに真摯に寄り添おうとする姿勢。早稲田大学で文学を教えながら、若者たちの成長を支える優しさ。伊藤さんは何よりもまず詩人であり、詩を書くことが人生を切り開く力になったのではと感じました。散文のこのエッセイ集にも詩的な力強さが行間から伝わってきます。2026/03/06
鯖
22
これを手に取った頃に早稲田の院での伊藤さんも絡んだパワハラ問題を知ってしまったので、どうにも読めず積ん読しといた本。リベラルだろうがどんな素晴らしい才能がある人間だろうが、そういうものと一切を切り離すのは不可能だし(…とやっと理解した)、その状態で読むのは私には難しい。やっと読むと伊藤さんの文章好きってなる…。夫を父を看取り老いて、それでも伊藤さんは強い。犬猫も含め、様々な生き物が生きて死んでいく様が描かれ、シンプルに生きて死んでくのが一番難しいよなあと思ってしまった。もっとシンプルに読みたかった。2023/12/10
rokoroko
19
一緒に年齢重ねたと思い込んでいた伊藤氏。子育て中もエッセイや詩をよく読んでいた。夫も亡くなり週の前半は早稲田で教えているという。日本の熊本で犬と暮らす。読んでいると私もいつの間にか年齢重ねたと感慨深い。夜明けの散歩も一緒の行動だね。わたしたちは生きているんだね2024/09/15
yuki
7
伊藤さんのようになれるかな?面白かったです。伊藤さんは石牟礼道子さんの「死を想う」を読んで知ったのですが。日々の生活や辛い現実を描きながら、そこに自立した一人の人間をみた思いです。2024/02/29
takakomama
6
著者はカリフォルニアで夫を看取り、犬を連れて帰国して早稲田大学で教えています。外国や日本での人々との出会いや別れ、自分の老いや仕事、犬や植物のことなどを本音で赤裸々に語ってくれます。人生いろいろ、波乱万丈。著者は行動力があり、パワフルで、エネルギッシュ!2023/01/04
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