徳間文庫 トクマの特選!<br> 馬の首風雲録

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徳間文庫 トクマの特選!
馬の首風雲録

  • 著者名:筒井康隆【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 徳間書店(2022/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198947835

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内容説明

地球を遠く離れた暗黒星雲で発見された犬似の知的生物──サチャ・ビ族。
人類の影響で急激な文明進歩を遂げた彼らは、人類の悪癖・戦争にも感化され、お互いに戦争を始めてしまった。
兵隊相手の雑貨商「戦争婆さん」と四人の息子たちも、それぞれの思惑で戦乱に巻き込まれていく。
戦場の滑稽と悲惨を黒い笑いでまとめ上げた筒井文学最初期の重要作。(解説 成田悠輔)
トクマの特選!
イラスト 信濃八太郎

〈目次〉
1 馬頭型暗黒星雲は戦雲に包まれていた
2 戦争婆さんはビシュバリクに帰ってきた
3 戦争婆さんは二番めの息子を兵隊にとられた
4 戦争婆さんはハラカイの湖を越えた
5 長男ヤムは丘の牧草地で卑民ズンドローと酒を飲む
6 戦争は始まった 第二甲隊はブシュバリクへ進撃する
7 次男マケラは丙長の命令で斥候に出た
8 次男マケラは手柄をたて丁長に昇進した9 長男ヤムは情報を握りトンビナイへ向かった
10 三男トポタンは歌姫ラザーナの危機を救った
11 三男トポタンは歌姫とともに軍隊を脱走した
12 長男ヤムはトンビナイで売込みに狂奔した
13 丁長マケラは心臓の入江で戦闘態勢に入った
14 戦いは終り ズンドローは泣く泣く戦死者の報告をする
15 雪の夕暮れ 戦争婆さんは老いた農婦の歌を聞く
16 トンビナイでは戦争成金たちが夜ごと大宴会を開いていた
17 農民解放軍は暴徒と化しトンビナイに火を放った
18 長男ヤムはサガタのホテルで自殺をはかった
19 隊長マケラの率いる船団は敵船団と宇宙で対決した
20 戦争婆さんはシハードの廃墟で歌うたいにめぐりあった
21 末っ子ユタンタンは計略で地球軍四大隊を全滅させた
あとがき
解説 成田悠輔

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

櫻田

4
成田悠輔氏が解説を書いてると知って手に取ってみた。なるほど単語チョイスのアクは強めだが(初っ端からドブサラダだし)、戦争のドタバタ感の表現が秀逸ー起承転結はなく、戦争が泥沼化してわけがわからなくなっている状態が鮮やかに表現されている。ドタバタ小説に見せかけて戦争の本質に迫っているようにも思う。あとがきで作者は「昭和9年生まれの私は(子供だったので)本当の戦争体験は知らない。でも子どもの空腹トラウマ経験は大人のそれとは違うはず」と仰っており、2023年現在なかなか考えさせられるコメントだった。2023/01/12

じゃくお

3
筒井康隆のドタバタ戦争モノとしては『東海道戦争』が有名だと思いますが、この作品は喜劇と悲劇が混然一体としているところが特徴的です。しかし筒井康隆ってのは天才的傍観者ですね。我が身のことと思えば悲劇にもなるだろうけど、それを傍観してしまえば一転してスラップスティックになってしまいます。なんとなく反戦的な匂いはするものの、これを反戦文学と捉えちゃ作者も泣くってもんです。しかし登場人物を犬に似た宇宙人にしちゃうってのは、なんだか惜しいのかもしれないが...。2023/07/19

テイク

2
馬の首暗黒星雲の犬型宇宙人サチャビ族は、国家軍と共和国軍で内戦をしている。地球人(コウンビ族)は共和国組を支援している。その戦争において一儲けしようする戦争婆さんと4人の息子。皆それぞれ離散し、戦争に翻弄されていく…初期作なので、ドタバタでエンタメ的にも面白い作品なのだが、戦争が今より身近だがかといって日常でもない時代(筒井氏は戦中は子供だが戦前生まれ)に、戦争自体は人間から切り離せない日常的事柄であり、(肯定する訳ではなく)戦争が非日常ではないことを描いている。ドブサラダやズンドローなど人物名が面白い。2024/06/24

Dヨッシー

1
戦争の「混沌さ」を体験できる文学作品。入りや中間あたりでカタカナが多数出てくるので、混乱します。それでも、戦争が人の欲や残酷さ等の本性を暴き出していることをバタバタさや滑稽さを通じて描いているのがこの作品の醍醐味だとう思います。また、それぞれのキャラの個性が強く、飽きずに読み進めることができます。本当に「アク」の強い小説です。2022/12/21

hryk

1
ズンドローが良い味を出してる。2022/11/05

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