飛ぶ教室の本<br> 給食アンサンブル2

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飛ぶ教室の本
給食アンサンブル2

  • ISBN:9784813804192

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内容説明

悩み、戸惑い、自分がいやになるときも、給食はいつだってそこに――

部活を辞めたことを引きずる慎吾、推しキャラへの想いに心乱れる朋華、熱くなれないたちの楓乃、吹奏楽部の改革に孤軍奮闘する高城、「いい人」しか取り柄のない三熊、長い片想いを続ける千秋。
それぞれに迷いや悩みを抱えた6人の中学2年生。彼らの胸にひそむほんとうの気持ちを、給食が教えてくれる。あたたかな音色を奏でるアンサンブルストーリー。

いつもの給食が特別なものになる。心に響く連作短編、中学2年生編!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

future4227

80
前作で中1だった子たちが中2になってからの学校での様々な出来事。友達関係に悩み、恋に悩み、部活に悩み、自分の性格に悩む思春期にありがちな中学生たちのモヤモヤ感が実にうまく描かれている。前作に登場した女の子たちも引き続き登場して、彼女たちのその後が知れて嬉しい。この流れだと中3の内容で3作目もあるのかな?三熊くんとおばあさんの交流を描いた「くじらの竜田揚げ」にホロッときたり、「牛乳」では小宮山さんと大久保くんの恋の行方にドキドキしたり、自分の中学生の頃を思い出すなぁ。中2の娘に勧めたけど、読んでくれるかな?2022/12/03

ぶんこ

58
中学2年生の給食に絡めたお話。印象に残ったのは三熊君の「優しさ」が本物だったこと。優しさだけが取り柄なのではと悩むなんて、まさに優しい証拠。おばあさんの立場で読んでしまい、幸せのお裾分けをいただいた気分です。吹奏楽部の話が多く、知らない楽器名が出てきては調べたりと楽しかったです。推しに関してはカノさんと同じで、熱くなることがないけれど、大事な友だちのためには熱くなれるって素晴らしい。ところで中学時代には給食が無かったので、苦手な料理は少なめに盛ってくれるクラスメイトの存在に仄々としました。2023/02/12

花ママ

57
給食アンサンブル2作目は、中学2年生が主人公の6編からなる連作短編集。ひざを痛めてバスケ部を退部した大久保、片想いの大久保を勇気を出して吹奏楽部に誘った千秋。推しキャラへの心残りを吹っ切れない朋華、何事にも今一つ夢中になれない楓乃。吹奏楽部の強化を目指す高城、〈いい人〉と言われるのに疑問を持つようになった三熊。それぞれが現実の中学生と同様の悩みを持ち、友人関係に心を砕き一喜一憂している。そういった子たちの学校生活を、給食がさりげなく味付けして、しっかりとサポートしている。中学校の図書館に置きたい本です。2022/10/26

よこたん

42
“廊下に落ちた保温食缶が耳障りな音を立てた。落ちたはずみで蓋がはずれ、中身のクリームシチューが大量に床に広がる。” これめちゃくちゃかなしいやつだよ。中学校生活も給食の時間も、美味しい日もあれば、苦手な日もあり、期待はずれの日もある。味は定まっているはずなのに、自分の気分で揺れ動く。主に吹奏楽部のメンバーをめぐる話だった。悩んじゃうとどんどん深みにはまるのわかる。友情も恋心も、その時はもう必死なんだよね。「くじらの竜田揚げ」の章にニヤニヤしてしまった。持って帰って食べさせてあげたい気持ちはわかるなあ。2023/02/08

白雪ちょこ

34
中学2年生になった、それぞれの思いが込められている短編集全6話。 今回は、給食だけではなそれぞれの思い出や 関わり事などなど、それぞれの食べ物にまつわる心の葛藤などが、色濃く描かれていた。個人的には、アーモンドフィッシュの話が一番好き。 第2話の、ハヤシライスの朋花ちゃんの、今時の推し活について悩んでいる姿などは、リアル感があった。 中学3年編のシリーズも読んでみたい。 懐かしい給食の味わいや、学校風景なども、温かみを覚えられて、とても良かった。2023/09/24

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