内容説明
【本書は2019年10月に刊行した単行本に、加筆修正して文庫化したものです】人生の最後に食べたいおやつは何ですか――若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、本当にしたかったことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。食べて、生きて、この世から旅立つ。すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。2020年本屋大賞第2位。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
396
雫は33歳の若さで余命宣告を受ける。瀬戸内のホスピスに入り終末期を迎える。場所柄人の死が身近にあるが、亡くなった人の存在を感じたりして、なんともスピリチュアル。死ぬまでの時間を大切に思い、自然に囲まれた施設ライオンで心穏やかに死を迎える。父や義母や妹が亡くなった雫を身近に感じて物語が終わる。幻想的な雰囲気を纏った場面が多い。他の方の感想を読んでみると、涙を誘う場面がいくつもあったりそれなりに評価は高いようだ。清い心を持ち合わせていない人間的に評価の低い私には手に余る小説だった。2026/09/15
鍵ちゃん
201
人生の最後の食べたいおやつは何ですか。若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを考える。ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間亅があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。食べて、生きて、この世から旅立つ。すべての人にいつか訪れることを暖かく描き出す。予想道理の展開だが、作家さん特有の人の暖かさが加わり涙ちょうだい物でした。いつもながらも心が洗われた気がします。2023/07/22
Nobu A
196
小川糸著書4冊目。読書会課題本。代表作3冊も既読。全てに言えるのはタイトルが粋で料理やお菓子を巧みに描写するのが得意分野。他方、掴み所がない措辞は物語展開よりも延々と続く心理描写にある。余命を告げられた主人公、海野雫が療養施設で過ごす日々。「カヌレの思い出」や「バナナの命」等、あまり具体性のないものをあれこれ。夢の中で早世した母や六花の元飼い主が出てきたりと現実と幻想の境界線も曖昧。研究の賜物や物語構成と展開を練りに練ったと言う痕跡なし。読了後残ったのはフワフワした小川ワールド感のみ。正直好みじゃない。2024/07/13
五右衛門
196
読了。この作家さんらしいですね。いつもほんわか雰囲気ながら引き込まれてしまいました。物語の傍にはいつもおいしそうなおやつなどがあります。どれも一度は食べてみたいです。主人公が終の棲家でのスタート。終盤はもう逢わないと決めていた父親との再会。更に妹との出会い。こんな風に最愛の人たちに見守られながら逝きたいです。三日目約束も守られたみたいで良かった。レモン島のワイン飲んでみたい。2022/12/27
となりのトウシロウ
151
まだ33歳の海野雫は、癌のため余命宣告を受ける。残り少ない人生を暖かく海の見える場所で過ごすため、瀬戸内レモン島のホスピス・ライオンの館にやってくる。自分が歩んできた人生を見つめ直し、残された時間と向き合い、自分の気持ちに素直になって、最後まで精一杯生きる様が描かれている。日々の何気ない暮らしがかけがえのない健やかな時間の積み重ねであり、無理をせず自分に正直に、笑顔で前を向いて、毎日を精一杯生きる事が幸せなのだと強く感じる。決して人は一人ではなく、他の人と関わりながら生きている事の素晴らしさを感じた。2024/07/21
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