内容説明
クリスマスの夜。猛スピードで暴走する車を二台のパトカーが猛追していた。時は二時間ほど前に遡る。その男は、偶然、火事の現場に遭遇する。家の外で助けを求める母親。二階の窓からは泣き叫ぶ娘の姿が。すると男は燃え盛る家の中へと飛び込んだ。それから五分足らず。男は胸に十歳の少女をしっかりと抱きかかえて出てきた。だが、その男は少女を母親に手渡さず、車に乗せてそのまま逃走した。なぜ男は英雄から一転、誘拐犯になったのか。そこにはある男女の双子を巡る二十余年の物語があった。事件の真相に秘められた温もりと寂しさに、あなたはきっと焦がれ、涙する。心に触れる傑作青春ミステリ。
目次
プロローグ
1 掟破りの季節
2 暗雲に霞む正体
3 不協和音
4 革命遊戯
5 未熟なライフ
6 赤い夜の果てに
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
62
闘犬みたいな凄い姉だ!この理不尽で生き辛い世の中と、本能のまま戦っている。敵認定したら真っ直ぐ向かっていき噛みつく。親、先生、不良‥、どんなに不利でも負けない。そして最終的に親にまで宇宙人扱いされる彼女の規格外な言動や行動に思わず笑ってしまった。一方でそんな最強な姉を持つ双子の平凡な弟、自己評価が物凄く低くなるのも頷ける。けれど…「平凡」ってある意味最強以上の生き方だと個人的には思っている。劣等感からか姉を疎ましく思う弟、彼目線で語られる小中高時代の友情と家族の思い出。不可解な事件と双子の関係に絆を見た!2022/08/20
茜
43
著者が新潟の方らしいので物語の核となる地震はおそらく新潟県中越地震のことだろうと思います。読了しての感想としては何よりもプロローグとエピローグが最高でした。双子の姉の名前は「帆名」、弟は「勇帆」。大人になった勇帆は火災で炎の中に取り残されたを助け出し、そのまま連れ去ってしまうのだが、その理由があまりにも悲しかった。そしてエピローグの前に帆名と警察署で面会するのだけれど。。。ここの切り替えが非常に巧妙でした。不覚にも涙してしまいました。あの火災はそういう意味だったのかと。。。2023/11/23
三代目けんこと
39
初めての作家本。凄く読みやすく、最後の真相には胸が締め付けられた...。これからも生馬直樹先生の本を追っかけていきたいと思える一冊となり、今年一番の出会いとなった。2022/09/07
ツバサ
13
凄い小説と出会った。表紙とタイトルに惹かれて読んだが、最初から最後まで読むのが止められない構成、展開、仕掛けが組まれていて、読み終えると込み上げてくるものが… 自由奔放な姉と平凡な弟、双子の関係は特別で、格別でした。ブログにて→ https://wing31.hatenadiary.jp/entry/2022/08/21/2115002022/08/21
赤青の朝
8
生馬直樹さん作品3冊目。姉弟の双子の話。姉弟だからこそ、双子だからこそ忌々しくも感じたり、羨望を抱いたり。最後が妙にフワフワしてパンチ力は感じられませんでしたが、悲しくも切ない物語でした。2025/06/02
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