内容説明
仁木雄太郎・悦子の素人探偵兄妹が巻きこまれた奇妙な連続殺人事件。
怪しげな電話、秘密の抜け穴、蛇毒の塗られたナイフ、事件現場に現れる一匹の黒ネコ。
好奇心溢れる悦子のひらめきと、頭脳明晰な雄太郎の推理が真相に迫っていく。
鮮やかなトリック、心和む文体。
江戸川乱歩賞屈指の傑作が新装版で登場!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
61
1957年実質的な第一回乱歩賞受賞作。題名は知ってましたが初めて読みました。今読んでも色あせない物語でした。兄と妹による探偵コンビもイノセントな雰囲気が良いしトリックも鮮やか。猫のチミが何を知っていたのか気になる方は是非ご一読を。解説で知った悦子さんの境遇にも驚きました。2024/12/19
森オサム
50
著者初読み。第3回江戸川乱歩賞受賞作。昭和32年の作品と言う事は66年前、流石に社会風俗や科学的捜査はクラシカルな雰囲気です。ただミステリーとして伏線の張り方や推理のロジックは、現代でも十分に楽しめる物だったと思います。古臭くて違和感が有る、と捉えずに、作中に名前の上がっていた英米の古典ミステリーを読むような感覚で接すれば良いかと。文章も読み易く、とても面白かった。上記の点にご留意の上、是非大らかな気持ちで読んで見て下さい、おススメです。2023/07/23
yumiha
49
ン十年ぶりの再読。『多すぎる証人』(天童真)の安楽椅子探偵岩井信一君が登場するそうだという情報につられた。でも、それらしき少年は登場するけれども、確認できなかった。残念。1957年の乱歩賞(作家としては初めて)作品だから、すでに死語(あるいは瀕死状態)のオート三輪とか防空壕とかテープレコーダーとか出てくるのがご愛敬。でも、最後の解決編に至る手掛かりがそれまでにちゃんと提示されていたこと、クリスティーばりのミスリードさせられる枝葉エピソードも納得できたことは評価できると思ふ。犯人の動機は、当時の道徳観か?2023/08/01
おうつき
33
日本のクリスティと称されたのも頷ける、端正でクラシカルな本格ミステリ。大掛かりなトリックが使われているわけでも、衝撃的な結末が待ち受けているわけでもないのだが、あるべき方向へパズルのピースがはまっていくような小気味よさがある。50年代の作品だがリーダビリティは高く、むしろ年代を経て味わい深さが増しているような気がする。動機が結構とんでもない話で、ゾッとした。著者のことはほとんど知らなかったのだが、解説を読んでその経歴に驚かされた。2023/04/10
綾@新潮部
32
昭和32年に刊行された本の新装版。このシリーズ兄の本棚にあったから読んだと思うんだけど、昔すぎて覚えてないな。言葉遣いに古い感じはあるものの、見取り図とかトリックとか今の作品でもおかしくないと思った。あ、でもテープレコーダーなどがわからない世代もいるのか。仁木兄妹が登場するこの他の作品も読みたくなった。Kindleならあるようなので検討しておこう。2023/12/12
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