内容説明
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キイ・ワードは「身心脱落」――道元は、釈迦の正法を正しく読み取る智慧を、弟子たちや後世のわれわれに教えようとしました。それが『正法眼蔵』です。総ルビつき原文 著者オリジナル現代語訳つき。
●仏道をならふといふは、自己をならふ也。自己をならふといふは、自己をわするるなり。
角砂糖を湯の中に入れると、角砂糖は溶けてしまいます。しかし、角砂糖がなくなったのではありません。ただ溶けてしまったのです。――わたしたちは自分・自己に執着しています。その執着した自我意識の状態が角砂糖なんです。そして、この角砂糖が溶けてしまった状態が「身心脱落」であり、それを道元は別の言葉で“忘れる”と表現しました。――<本文より>
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちさと
32
実務面で悟りってあるのは分かるな。今までうまくいかなかったことでも「あー見えた」と思って、ちょこっと変えると全部うまくいくのってあるある。卵が先か、鶏が先か。この問題のアプローチは生物学か理論数学か、という感じで全部繋がっているから、ひとつ悟ると全体に影響するってことなのかな。「花にも月にも今ひとつの光色おもひかさねず、はるはただはるながらの心、あきもまたあきながらの美悪にて、のがるべきにあらぬを、われにあらざらんとするには、われなるにても、おもひしるべし」余計なことするな、という話。2019/04/11
クサバナリスト
10
先月のNHK『100分de名著』の課題図書『正法眼蔵』。その時の講師が書いた入門書が本著である。番組を観てたのでそこで解説があった箇所は理解できたかなと思う。番組を観てなかったら、本書もほとんど理解できなかったと思う。2016/12/11
uD
9
道元=「身心脱落」 とりあえずそれだけはわかった! とてもじゃないけどタイトル通り“すらすら”読むことはできませんでした 笑2018/05/04
nchiba
4
仏教の基本にある「無」は、西洋の哲学が頑なに否定して苦労してきた考え方の様だ。「有」を前提として「無」を否定するとパラドックスに陥る。道元の哲学はこれらを同じモノだと考えてパラドックスに陥らない。日本語の哲学の面白さが正法眼蔵には含まれているらしい。とは言え、内容は難解。何度も読まないと理解の入口に立つのも難しそうだ。2011/08/14
Ryosuke Kojika
3
すらすら読めるわけない。別にそこは期待していない。小林秀雄の言葉を借りれば「一生かかったって理解できないかもしれない」訳で。自分のライフワークとして、仏教や哲学が最近急激に私の場所を占めるようになった。以前、あるがままを受け入れられないと言っていたが、そもそも前提がおかしかったことに気づけた。受け入れるも何も、あるがままはあるがままでしかないではないか。受け入れようとすることが、あるがままであるはずもなく。また、あるがままを受け入れれたらどうなることでもなし。今をただ善く生きる。2021/01/21