集英社文芸単行本<br> 十三夜の焔

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集英社文芸単行本
十三夜の焔

  • 著者名:月村了衛【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 集英社(2022/10発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087718126

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内容説明

天明四年五月の十三夜。将軍家外出時の警護や市中見廻りの御役目を負う先手弓組番方・幣原喬十郎は、湯島の路上で男女の惨殺体を発見する。傍らには匕首を手に涙を流す若い男。喬十郎は咄嗟に問い質すが、隙をつかれて取り逃がす。やがて、逃げた男は大盗「大呪の代之助」一味の千吉だと判明。喬十郎は追及するが、千吉は再び姿を消す。雪辱を果たすべく矜持を持って悪事に立ち向かう喬十郎と、闇社会をうまく立ち回る千吉。二十年以上にわたる因縁の対立関係を描く、熱き時代小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

220
月村 了衛は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、ハードボイルド時代劇、脇役(鬼平、遠山の金さん、田沼意次、松平定信等)が派手なせいか、主人公が地味過ぎでした(笑) https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/ziusanya/2022/12/08

パトラッシュ

166
江戸が舞台の連作ハードボイルド。殺人現場で偶然出会った刑事と盗人が、幕府と裏社会の陰謀に翻弄されながら戦い続ける。追う者と追われる者の関係だったのが、どちらも組織内で信頼していた相手に裏切られたことから弱者を踏み潰す巨悪の存在に気付く。辛酸を舐めながら家族や部下の助けで決して心折れず、生きるため手を組んで真相に迫る姿が鮮やか。そこに長谷川平蔵の苦悩と遠山金四郎の知恵、謎の暗殺者の暗躍も加わり半世紀余にわたる因縁のドラマは夢中で読まされた。時代劇ではあるが、やはり著者は一貫して警察小説の書き手だと納得する。2023/01/26

いつでも母さん

162
こんな男同士の物語は好きだ。タイトルも装画も好み。20年以上に渡り2人が生きてきた歳月が、因縁を超え豊かに結実する・・それぞれの家族も好い。真っ直ぐとか、信念とかそんな言葉が浮ぶ。為政者の妬みや恨みと云う、たったそれだけのことで、多くの人間の浮沈や生死が絡むのだ。それは現代も変わらないような気がする。2022/11/19

しんたろー

139
月村さんの新作は久しぶりの時代劇。武士・喬十郎と盗人・千吉を主人公にした因縁の半生記。幕府の金融政策に絡んだ陰謀が二人の人生を翻弄し、数々のドラマを構築している。宿敵同士の対決が緊迫感を持続させ、妻娘たちが寄せる情も厚みを加えている。長谷川平蔵、遠山金四郎の著名人二人が物語に色濃く関わってくるのも面白い。ハードボイルド風でありながら、熱い想いを抱えた喬十郎と千吉の男の生き様に膝を打ちながら、健気で賢い妻娘に「女性には敵わないな」とも思わされた。充分に楽しませてくれたが『機龍警察』の新作も早くお願いしたい♬2022/12/18

のぶ

120
月村さんの時代小説は初めて読んだ。過去に「コルトM1847羽衣」他、出している事を初めて知った。時は天明四年五月、十三夜。刃傷沙汰が起き、江戸、湯島切通町に差しかかったあたりで出あう二人の男。御先手弓組・幣原喬十郎と盗人の千吉。千吉は、蒼い光の中涙を流しながら立ち尽くしている。その二人の男の交錯する一生が老中・田沼意次、松平定信の時代を背景として描き込まれている。現代物の月村作品とは雰囲気が異なりやや馴染み辛かった。しかしテーマは今まで扱ってきたものの系列であるので良かったが、現代を舞台に読みたかった。2022/10/29

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