内容説明
水引は古来より封印や魔除け、人と人を結び付けるという意味合いがあり、現代においても冠婚葬祭の熨斗袋や贈答用の装飾等に使用され、日本人の生活に根差しています。
水引の始まりは日本人の祈りに原型を見ることができます。本書では、水引の作法、結び方はもちろんのこと、はじまりから、そして現代のよく知られた贈答文化、これからの水引の行く末を辿り、現代へと繋がっていく流れを紹介。
結ぶ、祈る、贈る、日本のかたちを、水引デザイナーであり、水引文化の研究をライフワークとして取り組む著者が、豊富な図版と共にわかりやすく紹介します。
目次
第一章 水引
第二章 礼法
第三章 基本の結び
第四章 元結
第五章 陰陽五行
第六章 水引の色
第七章 熨斗
第八章 結び
第九章 贈答
索引/参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カエル子
3
「結び」の語源は「産霊(むすひ)」。結び目には新たな力が宿るそうな。めちゃくちゃ勉強になりました。水引結びを楽しむようになって1年とすこし。水引の手習い本とは一線を画す、もはや学術書レベルの本書を読めば、水引だけでなく日本文化の歴史がいろいろ見えてきます。同時にその奥深さにも打ちのめされる。丁髷(ちょんまげ)って、烏帽子の冠を立てるための芯をつくるのが狙いだったのかー!みたいな雑学も手に入りました。気持ちを新たに、水引結びがんばります。2022/11/05
呑司 ゛クリケット“苅岡
1
水引の意味やルーツを知りたくて手に取った本。遣隋使説では608年に始まった。金封の礼法、元結との関わり、色の意味、熨斗鮑、直会の神人共食など興味深い。灰を崇拝するのではなく火を守ることを覚えなければ水引に限らず日本の伝統はどんどん無くなってしまうと今更ながら考えてしまう。2025/01/28
舟華
0
水引を取り扱うようになったにも関わらず、水引について知らないなと思っていて探していたらこの本を見つけた。軽い内容を想像していたけれど、これはまた本格的な内容。水引の起源の諸説、海外との関係、結び、色の意味などなど知っておいて損はないことや、歴史的背景なんかも読むことができて興味深かった。さすがに全部を覚えることはできないけれど、触れたことに意味がある気がする。2025/05/24