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内容説明
ドラマ史に残る名作『前略おふくろ様』『北の国から』から、老人のリアルを描く新たな挑戦で大ヒットとなった『やすらぎの郷』まで、倉本聰はなぜ60年にわたり、第一線で書き続けられるのか。「構成はおもてなし精神で」「台詞は論理的であってはいけない」「ピカッと光る『へそ』を必ず入れる」「物書きに必要なのは発信力より受信力」――未発表新作『火曜日のオペラ』の企画書から完成台本までの創作過程とともに、名作を生む「手の内」をすべて明かす。87歳の今なお毎日原稿用紙に向かう巨匠の、創造力の源泉に迫る一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
d3
25
御年87歳ながら現役脚本家である巨匠倉本聰氏が、みずからの脚本術を開陳する。 脚本とは映像化のための書類だ。建造物に対しての設計図にも例えられる。 しかし脚本は読み物としても楽しめる。演出家の想像力を刺激するように書かれているのだから当然かもしれない。 「創るとは、知識ではなく知恵によって生み出すこと」だと氏は言う。それならば歳を重ねるごとに味わい深い脚本が生み出されるのではないだろうか。 短歌や俳句と同じように、生涯を通した趣味としての脚本もおもしろそうだ。2023/02/05
ようはん
19
「北の国から」等の脚本家で知られる倉本先生、この本においても脚本講座の一環として「火曜日のオペラ」というストーリーを書き下ろしている。もう80代後半ながら凄い。 2023/08/25
カスロック
10
記念すべき読書メーター(オーディブル)100冊目!ホントは海外古典の分厚いの読んだろと思ってたが一冊間違えて倉本聰の脚本術みたいな本。ただ87歳超一流の仕事術というか何も無い所をほぼ独学と経験で積み重ねた王道のマニュアルみたいな事で脚本以外それこそ創作のヒントには大変金言多数で良かった。この本の為に一つ新作を書いてるけど87歳とは思えないアンテナの貼り方、食料問題、コロナ以降、若者と50代との格差、アフリカ、中東からハッカーまで出てきてちゃんと面白そう!というのがすごいなと。本で持ちたい★★★★☆2024/05/29
たまぽんず
6
脚本はまず役者を愛するところからだと言う。そしてドラマは登場人物が動かすもの、そのためには舞台となる身の回りの設定を練り込むこと。そうして徹底的に人間を作り上げていく。ただ筋書きを書いていくだけの仕事だと思っていた私には驚きの連続だった。氏も仰っているが演出家のようでもあり、地図を書いて見せる姿はまるで漫画家だ。そうした創作に対する思いから現代のドラマへの苦言にも思わず納得できる。氏の脚本に対する矜持に深く感銘を受けた。その心持ちを日々の生活に活かしていきたい。2024/09/28
たらお(専門書用アカウント)
5
脚本の書き方は勿論、創ること、書くことの楽しみと奥深さを伝えてくれる一冊。映像作品だけじゃなく、ラジオドラマについても言及されています。「映像を観客に想像させる」ラジオドラマで一番重要なことですが、本書のおかげでそれのポイントが掴めました。 また、本書の為に書き下ろされた「火曜日のオペラ」のシノプシスと1話のシナリオは大変学びになりました。 『名前は人物に色を塗ったり、色を足すもの』『その名前だから出て来る台詞を』『構成はどの順番で見せるかを考える』『声のボリュームや感情(心境)を考えて見る』2023/11/10