内容説明
戊辰戦争終結から五年。開拓が進む北海道各地で共和国騎兵隊を名乗る盗賊が跋扈し始める。頭領の兵頭俊作は榎本武楊の下、新政府軍と戦った士官。彼の戦いは終わっていなかったのだ。討伐隊に送り込まれたのは元幕臣の矢島従太郎だった。兵頭と矢島は五稜郭で理想郷「共和国」を夢見てともに戦った同志。敵として相対することになった二人を待つ壮絶な運命とは? 『武揚伝』に連なる長編歴史活劇!
感想・レビュー
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Naoko Fukumi Fujita
1
誕生日が同じ作家の文庫本。2022年10月20日初版第1刷発行、巻末によると2009年2月徳間文庫刊とある。北海道とは縁がなく、札幌初訪問は2000年頃だったと記憶している。コロナ禍では連続して主にニセコ方面へ毎年訪問し、一昨年の小樽~倶知安ローカル線の旅にて榎本武揚像の後姿を見ることができた。乏しい基礎知識しかなくても、ダイナミックでミステリアス、スピード感のある物語に引き込まれた。また、史実によるエピローグにいろいろと考えさせられた。2022/12/28