秘められた神々

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秘められた神々

  • ISBN:9784295204237

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内容説明

※本書はリフロー型の電子書籍です。

【日本神話のもうひとつの世界】

記紀神話の中の「異形」の神々、
ヤマト王権に従わなかった古代氏族の神々、
中世に再構成された神話の神々、
近世になって誕生した新興宗教の神々、
古代文献や偽書から創造された神々の話など、
歴史書に登場する謎の神から消えた地方神の正体に迫る!

『古事記』『日本書紀』の神話には、アマテラス、スサノオといった誰もが知る有名神が登場し、現代の日本人にはすっかり馴染み深いものになっている。
しかし、国家的な権威のもとに編纂された記紀神話はしょせん官製であって、その背後に長大な前史、あまたの異伝、庶民の素朴な信仰がある。
本書では、このような視点のもと、記紀神話からは漏れた神々、記紀神話での存在感は薄いが重要な神々、あるいは神仏習合や新たな信仰の影響を受けて発生した謎めく神々、一時は熱心に信仰された流行神など、総じて言えば、オーソドックスな神統譜からは外れた「異端の神々」に着目する。
各神にまつわる神話・伝説を紹介しながら各神のルーツを探り、特色や神社・歴史などとの関係などについて論じると、こうした秘められた神々こそが、日本人の精神を形成してきたことがよくわかる。
一般的な「神様名鑑」では物足りない、そのような読者にお勧めしたい一冊である。

〈本書の内容〉
■第1章 記紀神話にうごめく謎の神々
オオヒルメ ― アマテラスに先駆ける謎の太陽神
ヒルコ ― 流し棄てられた太陽の御子
ニギハヤヒ ― 記紀に明記された敗者の神
スクナヒコナ ― 常世からやってきた石神
■第2章 記紀には出てこない謎の古代神
宮中八神 ― 皇室を守護してきたムスヒの神々
セオリツヒメ ― 祝詞に刻印された祓の女神
熊野神 ― 紀伊と出雲に淵源する異界の神
志多良神 ― 民衆を乱舞させた平安朝の流行神
■第3章 怨霊と神仏習合が生んだ異形神
天満天神 ― 王朝を翻弄した菅原道真の幻影
平将門 ― 首都を惑わしつづける東国一の怨霊
蔵王権現 ― 修験者たちが崇めた異形の神
牛頭天王 ― 祇園社に祀られた神仏習合の極北
■第4章 近代日本を揺るがした偽書と新宗教の神々
『ホツマツタエ』とアマテル大神 ― 神代文字と和歌で綴られた神話
天理教と天理王命 ― 神人たちが取り次いだ親神の言葉
大本と艮の金神 ― 祟り神から救世神への変容
『日月神示』と天之日津久神 ― 岡本天明に降りた秘神の正体
■第5章 知られざる謎の民俗神
天道 ― 対馬の古俗に息づく「太陽神の御子」
弥勒 ― 民衆救済神としてのミロク
ミシャグジ ― 日本の古層に根差す諏訪の精霊
ニソの杜 ― 神社の原型を思わせる若狭の森神
シコブチ神 ― 琵琶湖水源域の知られざる守護神

〈著者プロフィール〉
平藤喜久子 ひらふじ・きくこ(監修)
1972年、山形県生まれ。学習院大学大学院博士課程後期修了、博士(日本語日本文学)。専攻は神話学、宗教学。現在は國學院大學教授。おもな著書に『神話学と日本の神々』(弘文堂)、『神社ってどんなところ?』『神話でたどる日本の神々』(以上、ちくまプリマー新書)、『いきもので読む、日本の神話』(東洋館出版)、『世界の神様解剖図鑑』『日本の神様解剖図鑑』(以上、エクスナレッジ)、『幸せ運ぶ! ニッポン神社めぐり』『福を呼ぶ! ニッポン神社めぐり』 (以上、NHK出版)、共編著に『神の文化史事典』 (白水社) などがある。最近刊は『「神話」の歩き方古事記・日本書紀の物語を体感できる風景・神社案内』(集英社)。

古川順弘 ふるかわ・のぶひろ(著)
1970年、神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。出版社勤務を経てフリーランスに。歴史・宗教分野を中心に雑誌・書籍の編集・執筆を行っている。おもな著書に『古代豪族の興亡に秘められたヤマト王権の謎』『仏像破壊の日本史』(以上、宝島社新書)、『人物でわかる日本書紀』(山川出版社)、『古代神宝の謎』(二見書房)、『物語と挿絵で楽しむ聖書』(ナツメ社)。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

spatz

11
気が遠くなるほどの悠久の歴史の中で語り継がれてきたもの。。。 歴史の教科書が書き換えられることは、結構ひんぱんにある。 諸説あり、というのが定説のようになっている場合も多い。 語られてこなかったこと、忘れ去られていること。 日の目を見なかった説。 歴史とは為政者が描くものでもある側面。 特にあまりにも深く長く遡る時代の歴史には、まだまだたくさんの知られざるお話が眠っているに違いないと感じさせられた。 #NetGalleyJP2022/12/01

わ!

3
めっちゃくちゃ面白い!記紀には出てくるが、いまひとつ流れがはっきりしない神。記紀には出てこないが、普通に神社で拝まれる神。地方によって、独自に祀られる神。体系だった宗教が強くない日本では、まだこの様な神々が躍動しているのである。そう考えると、とても楽しく思えるのは私だけだろうか?これこそが日本に根付いていた信仰だろうし、おそらく人が自然に育む信仰の原点もこの辺りにある様に思えてならない。神社や仏像にではなく、沈む夕日に手を合わせている人などを見ると、本来の信仰とはこんな形なのだろうなと思えるのです。2022/12/23

chance

0
全部覚えろと言われても無理だ、日本の神様。仏教の菩薩や如来様、インドの神様などとも一緒になったりしてただでも複雑。古事記や日本書紀、他の文献とか伝え方もいろいろ。正解なんてないんだろうけど八百万の神の国、日本。面白い。新興宗教のあたりは全く予備知識もなかったので色々調べながら読了。2024/11/29

たくさん

0
古事記、日本書紀の時代の神々から当時の政治状況などから薄まった神や氏族の解説から、 中世をかっ飛ばして新宗教や土着の神身近な神まで、これを一つにくくるのが面白い。 古代には対立軸があって、真相はわからないだろうがいろい 現在、宗教や神というと胡散臭い要素をイメージされてるが、本来窮した際に、 どうにもならない状況の極限の負荷と無に近い感受性があれば神がかるのは例があろう。 読み物として、神々になると~か。という仮定の話になるものの、そうかもなと感じる楽しい本です。#NetGalley JP2022/10/16

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