ボクのクソリプ奮闘記 アンチ君たちから教わった会話することの大切さ

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ボクのクソリプ奮闘記 アンチ君たちから教わった会話することの大切さ

  • ISBN:9784866471808

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内容説明

クソリプ=誹謗中傷の送り主に電凸!?
SNS時代の病理に〈会話〉の力で挑む!

不愉快な日常を愉快に変えるため、不愉快と向き合う。
真似したくねぇ、とブツブツ呟きながら読みふけった。
――武田砂鉄さん推薦!

《あらすじ》
◎毎日、山のように届くクソリプ=誹謗中傷に悩まされていた著者マロンはあるとき思い立ち、コメントの送り主のひとりと電話で直接会話してみるという大胆な行動に出る。
自分を憎んでいるはずの相手がなにを考え、なぜ心無いコメントを送ってきたのかを知ることで、〈インターネット上のコミュニケーションが孕む問題点〉〈会話することの有効性〉について気づきを得る。
◎この前代未聞の社会実験に手ごたえを感じたマロンは次に、ネット上で反目しあっている他人同士を繋いで会話してもらうというプロジェクトを始めるのだが……。

「ボクらの生きている現代は、自分たちの敵を抹消し、破壊し支配し、組み敷いてしまうことで称賛が得られる時代なのだ。しかもソーシャルメディアなる舞台は、ボクらが上手くやればその分だけ、気前のいい響きを立てて金貨を放り投げてくれることまで約束している。そのうえこのソーシャルメディアという舞台の仕様そのものが、好都合にも、他者というものを二次元のアバターに変換してしまうようにできている。それゆえ敵を、あるいは仮想敵なのかもしれないが、とにかくそういう相手を見分けることも、極めて安直になっている。そいつらは同胞などではなく、真っ向から狙いを定めるべき同心円の的(ブルズアイ)なのだ」(本文より)

装画:YUTAKA NOJIMA
デザイン:小沼宏之(Gibbon)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

26
ポッドキャスト制作者、声優として活躍し、政治的な発言も行う著者が、自分に向けられたアンチコメントに着目し、対話を始めた経緯から引き付けられた。単なるアンチの晒上げに終わらない展開と、そこから生まれた対話の行き着いた先、アンチコメントに苦しめられている他の人々との取り組みなどがすごい。明るく楽しくネットスラング混じりで軽く語られているものの、著者のタフさと真摯な姿勢が伝わってきた。ネットで攻撃的な言葉を使う人々と相互理解は可能なのか。自分でもあれこれ考えました。お勧め。2023/08/19

ossan12345

6
SNSで繰り広げられるヘイトや辱めの連鎖に身を挺して挑んだ著者の体験談と考察。傷ついた人々が人々を傷つける、共感は支持ではない、など納得できる表現が豊富と感じました。ちょうど「ソーシャルメディア・プリズム―SNSはなぜヒトを過激にするのか?」を併読していたので、理解が深まる内容も多々。ネットは顔が見えない分ヘイトを増幅しますね。また成田悠輔氏の主張にもあるように、もう保守VSリベラルのような単純な構図で成り立つ社会ではないと思う。翻訳モノで言葉数が多いのは仕方ないけど、ボリューム感がかなりあります。2023/01/10

in medio tutissimus ibis.

5
他人を社会というゲーム版のコマにしか見ていなかった主人公が、自らや他人同士の会話をセッティングすることを通してそのような見方に陥る陥穽をひとつずつ発見しては塞いでゆき、ついに自分も他人も掛け替えのなく傷つきやすい個人であることを発見する話。主人公は最初は凄い嫌な奴なのに終盤ではほとんど聖人だったり、ネットのスラングがえらく懐かしい感じに翻訳されているのがネックだったが、読み通した価値はあったように思う。ボン百のリベラルと違い、正しさに至るコストの高さと、それ故に取得し難い人もいる事実に言及する誠実さが好き2023/02/28

Myrmidon

4
原題は“Conversations with People Who Hate Me”。音声番組(ポッドキャスト)制作者で有色人種・ゲイである筆者が、差別的・攻撃的なコメントをつけてきた相手と音声番組にて対話し、相互理解を目指す試み。日本語タイトルは奮「闘」記だが、筆者はできるだけ戦うのではなく、人間的な交流を求める。安っぽいタイトルに「音声番組上での対話」という見せ物的なガワだが、意外にも真摯な「対話」への実践となっている。ただどうしても、特別な場で特別な準備に基づいてなされた対話という側面は残るよなあ。2023/02/15

corriedale_

2
"会話で争いが無くなる!"などという話ではない。たいていのアンチは対話に応じないし 自分の身の安全のためにも相手を選択する。加えて自分の考えを言葉にして伝えること、必要あらば謝ることができるというのは、なかなか知的な活動だと思った。語彙力の少なさが端的な表現しかできない一因でもあるから。相手に興味を持て、ということ(現実世界でも)。2022/11/06

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