彼女はなぜ、この国で - 入管に奪われたいのちと尊厳

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彼女はなぜ、この国で - 入管に奪われたいのちと尊厳

  • ISBN:9784272331093

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内容説明

法治国家の中の無法地帯=入管の闇をあばく迫真のルポ

夢を抱いて来日した留学生はなぜ入管収容施設での非業の死を強いられたのか――社会に衝撃を与えたウィシュマさん死亡事件の克明な記録とともに、外国人の人権のために奔走する支援者・若者・弁護士・政治家たちの群像を描く。

※本書は、大月書店刊『彼女はなぜ、この国で――入管に奪われたいのちと尊厳』の電子書籍版です。

【著者】
和田浩明
わだ・ひろあき
毎日新聞デジタル報道センター記者。1991年入社、外信部などを経て2003年からワシントン特派員。09年からはカイロに勤務し「アラブの春」を取材。中東、米州担当デスク、再度のワシントン特派員などを経て2019年から現職。日本社会と外国人住民やLGBTなどの今後に関心がある。

毎日新聞入管難民問題取材班
毎日新聞のデジタル報道センターを中心に、さまざまな部局に所属する記者による取材班。外国人労働者や難民、入管法改正、非正規滞在者の長期収容の問題などを取材・報道している。
https://mainichi.jp/immigrationjpn/

目次

第1章 ウィシュマさんの死

第2章 支援者たちの想い

第3章 弁護士たちのたたかい

第4章 若者たちの怒り

第5章 SNSと世論

第6章 政治家たちの動き

第7章 入管の「使命感」――内部からの告発

第8章 長期収容の痛み

第9章 世界の厳しい視線

第10章 偽りの「共生」を超えて

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

燃えつきた棒

41
ウィシュマさん死亡事件は、最低でも業務上重過失致死罪、いや違う、そんななまやさしいものではない。 この事件こそ不作為による殺人罪ではないだろうか? 病気の症状を訴え、病院に連れていってほしいとのウィシュマさんの必死の訴えに対して、頭から詐病と断じ、病院に連れて行かずに死に至らしめた入管側の判断には、もし、病気が本当で、治療が遅れたことで結果としてウィシュマさんが死ぬようなことがあっても、それはそれで仕方がないという未必の故意があったのではないだろうか?/2023/05/23

崩紫サロメ

23
名古屋入管に収容されていた33歳のスリランカ人女性ウィシュマさんの死。SNSでも大きな話題になった入管と外国人の問題に関心を持った自分のような人間には多くのことを考えさせられた。ウィシュマさんのことは氷山の一角で今までも多くの外国人が入管で変死・自死を遂げている。入管の外国人に対する「危険視」は戦前の治安維持にルーツがあると指摘がある程排他的かつ恣意的である。遺族の抗議に対しても黒塗り文書が「開示」されるなど不透明である。「私たちも人間です」「おもてなし」の裏側でこのような声が止まないのが日本である。2022/11/11

臓物ちゃん

8
名古屋入国管理局でウィシュマさんの身にいったい何が起こったのかを詳細なインタビューをもとに時系列順にわかりやすく紹介し、役所という悪が凝縮されたようなこの根深い問題の確実な解決策への一歩を踏み出すために書かれた一冊。しんどいぜ……どうしてBLM運動が話題になってた時に「そういやウチの入管もヤバいよね」って是正しておかなかったんだよッ!モーリー・ロバートソンさんの話がためになった。オススメ。2022/11/08

チェアー

6
人権がないがしろにされている現状に強い怒りを込めながら、入管・収容の状況について、今できる範囲で最高のまとめをしている。 国に逆らうものに対して、権力者は無慈悲に虐待する。外国人はスタート時点から治安の撹乱要因としてとらえられ、マイナスから出発する。少しでも落ち度があれば、排除する。 この国に人権を尊重すると言う意識がないからだ。 人間が人間であるだけで互いを認め合い、尊重する。そんな社会を作ってこなかった、「内側」にいる我々の責任だ。 2023/02/06

Ayana

3
入管の職員は本当に血の通った人間だろうか?法務省の管轄ながら、明確な収容基準も持たず職員や所長の裁量で在留外国人の人生を奪っている、まさに無法地帯である。 2023/12/24

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