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内容説明
世界の鉄道ビジネスは今、非常にホットな分野だ。巨大な中国の資本が流れ込み、EU企業も虎視眈々と状況をにらんでいる。本書は、著者がアフリカ諸国など世界各地で実際に見聞した鉄道ビジネス事情がベースとなる。そこにはポスト・コロナ時代の世界ビジネスの潮流を読み、乗り切るヒントが満載だ。日本の全業種のビジネスマンはどう動くべきなのか。乗るべきか、降りるべきか、日本ビジネスが次に目指す「駅」は!?
目次
はじめに
第1章 鉄道ビジネスがデザインする「国家」と「権力」
第2章 中国の融資の罠とグローバル・スタンダード
第3章 欧米のスタンダードか中国のやり方かの二元論を越える
第4章 変化と流動の時代のビジネスチャンス
第5章 会社を辞めて見つけた自分のスタンダード
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
武井 康則
10
なぜ途上国は世界銀行やIMFから金を借りないで中国から借りるのか。それは使い道を公表したくないから。その一部を私的に使いたい独裁者は山ほどいる。自国を担保にしても取られるのは何年か先の話。なぜ日本は鉄道ビジネスのコンペで負け続けるのか。それは安全より安価であるほうが価値があると思っている国があるから。そこに高度な付加価値をつけて売り込んでも相手は何の魅力も感じない。日本の財閥系大手商社等は未だにそんな頓珍漢な思考でビジネスをしている。だから日本は負ける。その通りであり、ガラパゴスはみんなが思っている→ 2024/11/24
志村真幸
5
本書は、欧米主導で進められてきたグローバル・スタンダードに対し、中国式の国家型ビジネス・モデルによる「アフリカの鉄道」を紹介することで、現在の国際社会で急速に変革しつつあるビジネス潮流を見きわめようとしたもの。 欧米流では社会・政治変革をアフリカ諸国への援助の条件としてきたが、中国流では経済や国土が対価とされること。日本では「細く長く」がずっと理想とされてきたが、世界的には「太く短く」儲ける事例が跡を絶たないこと。 独裁政権と経済成長の関係など、刺激的な話題も詰めこまれている。 2022/08/06
モビエイト
3
日本には馴染みのないアフリカで商売をしていると中国の進出等の情報がリアルに入ってくる。国家の規模が違うのでピンポイントで立ちまわっていかないと日本の良さは発揮できないのだと思いました。2023/03/26
oooともろー
3
世界を股にかけるビジネスマン。グローバルスタンダードの外で動く別の価値観。中国のしたたかさ。多次元社会を生き残るためには?2022/09/09
yamareco51
2
興味深い話が多く、著者の教養の深さが感じられた。中国鉄道ビジネスから、安全性は100%ではないこと、高利貸しのようなことは昔からされていることを初めて知った。イランのアザデガザン油田でサハリン2と同じことが起きていたのも初めて知った。2023/10/28