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内容説明
コロナ禍、ウクライナ侵攻、原油高、台湾海峡の緊張――世界は、日本はまさに予測不可能な時代に突入した。そこで重要になるのは、状況の変化に即応するための「プランB」だ。だが日本の組織は「既定の方針」にしがみつき、それを改めることに躊躇してしまう。その代表例がコロナの水際対策であり、また東京オリンピックの強行開催であった。いったいなぜ日本の政府は、企業はプランBを実行できないのか? そしてその真の原因はどこにあるのか? 「滅びる組織の病理」を鋭く抉る、サバイバルのための実践的経営学。予測不可能な現代を生き延びるための「危機の時代の経営学」決定版、登場。冨山和彦氏【経営共創基盤(IGPI)グループ会長】、藤野英人氏【レオス・キャピタルワークス 会長兼社長】が「人生の解像度が上がる本」と絶賛!
目次
はじめに――「完璧な」プランなど存在しない
第一章 「想定外の時代」に生きるために
第二章 あらゆる「プラン」は修正を迫られる
第三章 「プランB」はなぜ発動できないのか
第四章 「悪魔の代弁者」の助けを借りる
第五章 アイデア集約と実行のための仕組みを作る
第六章 AIには不可能な「課題発見」スキル
第七章 集団思考を打破する「説得術」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kitten
12
図書館本。「プランB」という考え方は非常に大事で、日本に限らず、世界もこれで失敗することが多い。プランAが失敗しそうなときに、すっとプランBに移行できればよいが、これがなかなか難しい、というか、プランBが用意、検討すらされていないのではないだろうか。後半は、プランBを用意したとして、いかにしてそれに移行するか、という話だがほぼほぼビジネス書のような感じで、読み飛ばしてしまった。2022/10/02
Iwata Kentaro
9
献本御礼。むちゃくちゃ面白かった。書いてある内容は「プランB」のことをよく考えている人にとってはおなじみの内容だが、だからこそ教科書としては堅牢堅実なものといえるし、ビジネスの方なので事例がとても豊富でぼくのような門外漢には知らないエピソードが山のようにあった。米国時代お世話になったブロックバスター潰れてたの知らんかったし(笑)。2022/08/19
Satoshi Hara
6
日本の組織って何でプランBがないのだろう、バカなの?って思うことが多いが、組織でプランBを作成して発動させるのは思ったより難しいのがわかった。空気のところなんて、もうまさに、という感じ。人を説得するためのアリストテレスの3要素(エトス、パトス、ロゴス)もとても参考になった。ところどころ用語についていけなかったので再読したい。2022/09/02
tolucky1962
5
集団思考,集団的保守主義,現状維持バイアス,ホットハンド誤謬,空気。認知容易性錯覚,代表性ヒュースリティック,選好の時間的逆転,損失回避の原則,ハロー効果,アンカリング効果,認知バイアス。同調圧力。サクセストラップ。官僚の無謬性。失敗情報:隠れる,単純化,変わる,ローカル化,神話化。表象の一致,間主観性の一致。組織バイアス,取引コスト,可能性の効果,感情ヒューリスティック。後悔回避,心理会計,思い込み,サンクコストの誤謬,損失回避の現象,感応度逓減性。レッドチーム思考,オープンイノベーション,アート思考。2022/10/30
田中峰和
4
リスクヘッジとどう違うのか。将来のリスクを予測し、被害を最小限に抑えるために対策を図るのがリスクヘッジだが、プランBと同じなのか。新型コロナウイルス対策では、水際対策や行動制限を課したのがプランAだった。3人の首相がその実行をしたが、効果があったのか。他の先進国ではコロナと共生するプランBに変わっているが、日本にはその発想すらない。日本の安全保障問題でもプランBの発想が求められる。ロシアに侵攻されたウクライナと同様、仮想敵国に囲まれた日本。米軍の支援を待つのがプランAだが、プランBは用意されているのか。2023/10/15