グライス 理性の哲学 - コミュニケーションから形而上学まで

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グライス 理性の哲学 - コミュニケーションから形而上学まで

  • 著者名:三木那由他
  • 価格 ¥3,850(本体¥3,500)
  • 勁草書房(2022/10発売)
  • ポイント 35pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326103010

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内容説明

会話的推意の理論と非自然的意味の分析の哲学者として知られるグライスは、心の哲学、理性論、形而上学といった分野でも多くの業績を持つ。その哲学体系を貫くのは、理性というテーマである。グライスにとって、理性は推論の能力であるとともに、理由を与える能力でもあった。歴史的な背景とともに、その哲学体系を一望のもとに描く。

目次

はしがき

第一章 グライスの生涯
 1 父から受け継いだ異端性
 2 哲学との出会い
 3 論理実証主義の到来
 4 第二次世界大戦とグライスの初期哲学
 5 日常言語学派
 6 オースティン、そしてストローソンとの交流
 7 日常言語学派への不満とオックスフォード哲学の衰退
 8 論理学への関心と会話的推意の理論
 9 アメリカへ
 10 残された日々

第二章 日常言語に目を向ける
 1 オースティンの言語採集
 2 意味と使用を区別する

第三章 会話的推意の理論
 1 会話的推意の理論の果たす役割
 2 会話的推意の理論とはどのようなものか
 3 会話的推意を言われていることから区別する
 4 規約的推意
 5 グライスによる応用

第四章 会話的推意の理論とは何なのか
 1 会話的推意の理論の内容的解釈
 2 内容的解釈の問題点
 3 行為論的解釈
 4 疑問への答えと内容的解釈との比較

第五章 「言う」と「意味する」
 1 「言う」とは何なのか
 2 「意味する」の分類
 3 発話者の場面意味
 4 意図の無限後退問題とさらなる分析
 5 発話タイプの無時間的意味
 6 「言う」は結局どうなったのか

第六章 心理と行為
 1 意図とは何か
 2 説明の架け橋
 3 意味の理論を接続する
 4 行為と出来事

第七章 理性と幸福
 1 推論と理由
 2 目的と幸福
 3 理性の哲学

第八章 形而上学と超越論的論証
 1 構成主義の形而上学
 2 超越論的論証
 3 哲学的終末論

結 論


あとがき
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buuupuuu

19
会話的推意の理論は、概念分析の手法を精緻化する目的から構想されたのだという。概念の適用条件には、真理条件とは異なるものも含まれている。オースティンが遂行体の発話条件として考えたものも、そういったものの例なのではないかと思う。オースティンは規約や慣習といった観点から考えたのだが、グライスは理性という観点から考えた。そこが彼の哲学の特徴になっている。また自分は、グライスが知覚の因果説を唱えた人だと聞いていたので、彼が心理概念を、因果的なものではなく、行為の理由に関わるものとして考えていたというのが意外だった。2024/01/17

ヒナコ

7
イギリスの言語哲学者、ポール・グライスの思想全体が、グライス研究者によって詳細にまとめられた研究書。完全に研究者向けに書かれているので、相当に歯ごたえがあった。→2022/05/09

Go Extreme

2
グライスの生涯: 父から受け継いだ異端性 哲学との出会い 論理実証主義の到来 第二次世界大戦とグライスの初期哲学 日常言語学派 オースティン、そしてストローソンとの交流 日常言語学派への不満とオックスフォード哲学の衰退 論理学への関心と会話的推意の理論 アメリカへ 残された日々 日常言語に目を向ける 会話的推意の理論: 果たす役割 どのようなものか 言われていることから区別する 規約的推意 グライスによる応用 会話的推意の理論とは何なのか 言うと意味する 心理と行為 理性と幸福 形而上学と超越論的論証2022/05/24

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