内容説明
ヴェニスから小アジア・パミール高原を経て中国に入り、元が席捲するアジア各地を行脚、16年に及ぶ見聞を克明に記して、西洋人に東洋への眼を開かせた旅行記の古典。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
39
いやいやいやちょっと待ってちょっと待って。確かに金も真珠もとれるけど、そんなに豊富なら民もっと豊かになってますって。ましてや鎌倉でしょ。そんなに金山とか組織的にできてなかったはずだ。フビライ・ハーンはこの豊かな国を狙って襲ってきた(元寇)らしい。おかげで鎌倉幕府は滅亡の一途をたどる。その時歴史は動いた!ムラヒダ地方では山の老人アロアディンが美しい庭園と楼閣と宮殿に住んでいた。川には蜂蜜、葡萄酒、牛乳、水がそれぞれたっぷりと流れていた。美女が様々な楽器をかき鳴らし、歌い踊る(ちょっと川端康成み)。2023/04/18
豆電球
17
今の時代に見合った書物では決してないですが、当時の人達にとっては衝撃的だったに違いないでしょうね。チパングについて書かれているのはたかだか数ページ。そのたった数ページの日本という国の紹介を読んで、今まで考えもしなかったけれど島国というものはなんだかとても未知であり、その分蠱惑的な魅力を持っているのだろうなぁとガツンときた事は否めません。(鎌倉時代の日本に黄金の城があっただなんてとんでもない大ボラですけどね😅)個人的にはチート級に強いハイドゥの王女の話が面白かった。彼女は結局のところ結婚出来たのかな。2022/11/17
さぶろうの領土
8
河出書房新社版の特徴は①抄訳②注釈がほとんどない③レイアウトがシンプルで読みやすい。①と②は一見すると欠点のように思えるかもしれないが、否!読み方次第でコレは長所にもなりうる。というか、たぶん出版社も意図してこういう作り方したんだと思う。私がこういう本を読む時は 出来るだけ現代の日本人であることを忘れ、尚且つ 出版された当時の感覚を想像しながら読む。マルコポーロとかいうヴェネツィアの商人が出した、未知なる東方への旅の記録を、スゲースゲー言いながら読むのだ。2023/06/29
カエル子
4
キリスト教なら「奇跡」で、イスラム教徒なら「インチキ」というスタンスが徹底していて、そこはかなりおもしろい。各地で見聞きしたことを細部に至るまで記憶できたわけもなく、ほとんどが嘘……もうすこし柔らかく言うなら記憶違いで歪んだ報告書という感じですね。伝聞を自分で見てきたかのように脚色や誇張をして語っている部分も多そう。とりあえずチパングの出番が少なすぎて仰け反ったわ笑。しかしまぁ、解説にあるとおりこのような記録が残っていることが貴重なわけで、興味深い追体験をさせてもらったという気分です。2023/08/23
ポルターガイスト
3
思ったよりインチキ記述が多くて怪しいがまあ面白いからいいか。2023/03/18