内容説明
命(ぬち)どぅ宝、生きていてこそ――沖縄の戦前、戦中、戦後を駆け抜けた少年・仁(まさし)の切なくも希望に満ちた清新な物語。第9回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した著者が、自身の体験をもとに戦争時代の沖縄を描き出した渾身の書き下ろし。
<1941年>
仁はおない年の信とガジュマルやデイゴの花に囲まれた野山へ昆虫採集に出かけた。サファイヤ・ブルーの海を眺めているだけで毎日が楽しかった。
<1945年>
米軍はガソリンを壕の入り口から流し込み、火炎放射器を使って火の海にした。だが外へ出れば迫撃砲の集中攻撃が待っている。
<1946年>
父との再会に望みを抱き沖縄に帰ってきた仁。そんな彼を待ち受けていたのは、疾走するジープとまずいマッシュ・ポテートだった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
21
著者の実体験を小説化したもの。戦中戦後の様子はまだ著者がティーンエイジでそれほど悲惨さは感じられないが、ひもじさ、やるせなさの青春時代を送っている事は伝わってきた。それでも少年のイキイキ生きる姿は凛々しく希望を感じた。米側が沖縄上陸を前にして多くの人々が本土に疎開するため商船や貨物船に乗り込んだらしいが、米軍の潜水艦により沈没し多数の児童と人々が犠牲になった事は知らなかった。沖縄戦での戦死者は24万人とも言われる。悲惨極まりない。2015/11/15
kei
0
無為の死を語り継ぐこともなくなってしまうのだろうか。2014/06/27
sutekibito
0
ドキュメンタリーと小説が行き来する。悲惨な話の中にも、暖かいものが感じられ読みやすかった。2012/04/01
まめ千代
0
戦争の話しはどれも悲惨ですが、沖縄の地上戦や日本軍がオキナワンに銃を向けたり集団自決をさせる話しは悲惨極まりない。私の祖父の弟は沖縄戦で亡くなったらしい。どんな軍人だったのだろう?偶然にも彼の命日となった日の記述もあり、会ったことのない祖父の弟の最期を想像して泣きました。2011/10/30
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