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内容説明
小学生男子とふしぎな人魚とのふれあいを描いた『かすみ川の人魚』で日本児童文学者協会新人賞を受賞した長谷川まりるの、受賞後第一作!
高校2年の満天は、父のタクさんが経営する自給自足の農場「サマラファーム」で暮らしている。そこはタクさんがすべてを取り仕切る彼の「王国」であり、満天はタクさんの息子でありながら、早朝から畑で農作業をし、ファームが経営するレストランの手伝いをするなど従業員のように働いていた。
手で作らなければ何も得られない生活に嫌気がさした満天の母は、彼が幼いころに、とっくにサマラファームを逃げ出していた。そして、満天もまた、ここを去ることを考えていた。
そんなある日、大学生の瑞雪がサマラファームにやってきた。瑞雪はサマラファームでの暮らしにひるむことなく、タクさんともうまくやっているようだった。しかし……。
父との軋轢と自らのルーツに悩む高校生が、自分の歩む道を探す姿を描く意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひまわり*
18
図書館本◆父親であるタクさんの経営する自給自足の農場で暮らす満天。中2からバイト代をもらい光熱費を払う生活。「ここはタクさんの王国だから」と割り切って暮らす満天。農場には入れ替わり立ち替わり様々なひとが様々な理由で暮らしにくる。「みんな仲良く」の精神。タクさんはただ精神年齢が幼いだけの父親かと思っていたら、真相の複雑さにはびっくり。児童書なので、満天の心の機微に焦点を当てた形で、その辺は良かったですが、満天の大人さに子どもたちはついていけるのかしら。とは少し疑問。田植えの真相だけはよくわかりませんでした。2026/07/31
うとうと
15
父のタクさんが経営する自給自足の農場「サマラファーム」で暮らす高2の満天。頻繁に入れ替わるスタッフと共に早朝から農作業をし、建築仕事やレストランを手伝う。ある日東京から男子大学生の瑞雪が働きにくる。 少しぶっきらぼうで冷めた視点の満天の語り。"普通"の基準はそれぞれだけど、なかなか不便でハードな生活と、子どもみたいなタクさん。満天が文句を言いつつも従順に従う理由が切なかった。 「でもほら、おれには家族がたくさんいるじゃん。だからきっと大丈夫」そう、満天の未来はどんなだろう。何でもできちゃいそうだよね。2025/09/25
あんず
10
読み始め、主人公がわりとやんちゃな感じなので最後まで読み終えれるか不安を感じつつ読み進めた。なかなかに風変わりな暮らしをしていて、そこでの暮らしぶりは読んでいて面白かった。物語が動き始めてからは、他のキャラクターたちの意外な一面が見れて面白かった。当たり前に暮らしていて、目を逸らしていた部分にきちんと目を向けて、言葉で話して最後は明るいラストだったのでよかった。2024/04/03
鳩羽
6
高校生の満天は、父親が作り上げた有機農業の農場で働きながら暮らしている。子供の頃から仕事を手伝ってきたのを仕方ないと思ってきたが、東京の大学生瑞雪が来てから、いろいろ考えることが増え…。ある種の特別な環境、貧困ではないかもしれないが、現代において恵まれた子供の環境とは言えない(かもしれない)満天が、自分の育ちや進路を考えていく話。満天のなんでも仕事ができるところを頼もしく思い、それが不憫と背中合わせであることもあり、複雑な気持ちになる。どう考え、何を受け入れ、選択していくのか。軽快ながらも深く心に残る話。2024/05/15
芦屋和音
4
高2の満天は父が経営する農場サマラファームで暮らしている。オーガニックファームへの憧れを抱いて働きに来る人たちとの共同生活。自分に合わなければ去ればいい、とはいかない満天。なぜなら実家だから……。後半、衝撃の展開。「普通の」家族とは?ぼんやりと夢見ていた将来がきちんと考えて行動してゆくようになる満天。はぁ〜、すごい、読まされてしまった。2022/11/29
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