内容説明
絶句形式のうた、四行詩は歯切れよく
スタッカートのようにリズミカルで、鋭い
【収録歌より】
今宵ある
頭痛は青き夕ぞらの
しらしらとして
鷺より尖る
眼前の
エスカレーターは止まりいて
恐竜の骨
光る夜の底
核のなき
世界をめざすという誓い
さらなる兵器を
引き寄せながら
グローバル経済は死す
という声す
否つかのまの
燦たる眠り
【著者】
加藤孝男
歌人、東海学園大学人文学部教授。1960年、愛知県岡崎市生まれ。1984年、まひる野会に入会。篠弘に師事。歌集に『曼荼羅華の雨』など。『近代短歌史の研究』、『与謝野晶子をつくった男―明治和歌革新運動史』(2020、第16回日本詩歌句随筆評論大賞優秀賞受賞、第19回日本歌人クラブ評論賞受賞)など多数。
目次
青き時雨のなかを