内容説明
ステロイドを使いたくないと言っている患者の行動を「ステロイド忌避(きらいさけること)」という言葉で皮膚科医などが表現していることについて一言述べたい。私の所で脱ステロイド・脱保湿を行って1、2ヵ月経過した患者が「すべての外用を中止すれば1ヵ月ちょっとでこんなに痒みが減り、皮膚がよくなってしまった。私はこの10年間、一体何のために皮膚科に通い、ステロイドを外用してきたのかとつくづく思う。皮膚科へ行けば『きちんとステロイドを塗ってないのと違うか』『もっと真面目に治療せなあかん』などと怒られっぱなしだった。きちんと塗ってもいたし、言われた通りに保湿もしてきました。医師は私の言うことを信じてくれませんでした。だから、ときには民間療法にも高いお金を使っていました」と言う。そして、「腹は立つけど、医師に直接文句は言いにくいです」と言って自分を慰めている。忌み嫌われているのはステロイドであろうか、それとも患者の訴えを聞くことができず皮疹の変化を認識できないステロイドー点張りの医師なのであろうか。ステロイドの新しい副作用を認識できず、またその副作用の治療を知らない皮膚科医は、ステロイド外用剤を上手に使用する専門医とは決して言えない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gin
4
腹が立った。猛烈に。元々、医療に対する根強い不信感はあったが、皮膚科に対するそれは特に強かった。アレルギーとかアトピー治療に至っては、それこそ宗教だとも思っていた。信仰心がないと、とても続かない。ドクターショッピングなどという生易しいもので片付けないでほしい。患者はただ単に無能な医師に対してNOを突きつけているだけである。…(続) http://t.co/z0xHkUNFo02015/02/11
Kazuko Ohta
2
手の湿疹に使用していたステロイドをやめることを決意。脱ステ・脱保湿を始めて、一時は死んだほうがマシかもというぐらい辛い思いをしました。そのときに読んだのがこの本で、ものすごく救われました。これを読んで自分がどの段階にいるのかもわかりました。特効薬のない皮膚疾患。治療の仕方や心の拠りどころも人それぞれだから、誰かに薦めることはできません。でも私は、この本を読まなければ、脱ステ・脱保湿を途中で挫折していたかもしれません。2017/05/14
723
1
2回読んだ。教科書みたいに難しい内容だけど、自分が知りたいことばかり載っているので、思いのほか読むのはつらくなかった。 この本を読んでいると、世の中の当たり前って本当に正しいのか?と思わせられた。常識や当たり前とされていることほど、疑ってみて、自分で考えることが大事だと思った。 その当たり前によって得をする人がいるのでは? 病気についてだけでなく、物事に対しての考え方も学ばせてもらえた本。2025/04/05
うなばら
1
辛い時にいい治療法がないか死に物狂いで探して読んで、脱ステ脱保湿しました。 回復する要素が自己治癒能力メインになるのでゾンビ状態が長くなり、心身ともにダメージが大きいです。仕事と治療の両立は難しい治療法です。 突然脱ステはとても危険なのでゆるやかに減らしていくのが現行の治療法。