内容説明
スウェーデンは、人が楽(らく)しているのに、なぜ豊かで住みやすいのか。私的な世界七不思議だ。
子どもの頃はあまり勉強しないし、大人になってもあまり働いていない。受験も学習塾も存在しないから、勉強時間が少ない。社会人は残業をしないし有給をたっぷり取るから、労働時間が少ない。五時にはオフィスから人影が消え、夏休みはスウェーデン中が機能しなくなり、この時期に病気をするなと言われる(病院に医者がろくにいないからだ)。
別に恵まれた環境でもなく、隠れてずるいことをやっているわけでもなさそうだ。スウェーデンは鉱石と森林を除けば資源は貧しく、気候は先進国で最悪だ。影の武器産業はあるが、雀の涙にもなっていない。おまけにたった九百万人の小国だ。しかし、こんな貧弱で楽している人たちが、国際競争力、IT競争力、潜在競争力、住みやすさ、報道の自由度、生活の豊かさ、教育水準、平和指数、福祉の充実など、各種ランキングの上位を占める優秀な国を築いている。おまけに治安もよく、格差も少ない。豊かで競争力が高いかわりに、格差が大きく、治安の悪いアメリカとはまったく違った繁栄の仕方をしている。
(まえがきより)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mari.
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北欧の教育に興味があるので読んでみた。遠山さんのスウエーデンの教育に関わる人たちとのインタビュー、学校観察などの記録。保育園から結構自由な感じで、のびのびとしている一方、「より知識を吸収できる」のは日本の様なつめこみスタイルなのか否かという点を頭の中でずっとこの本を読みながら考えていた。学校に適応しない子供たちを救うシステムが制度化されている。残業を少なくするため、先生の時間も大事に扱い、色んな意味で効率が良さそうな仕組みが教育制度にあった。生徒や先生が話あう場があり、立場が平等に扱われる会議はすごい。2017/11/30
...
0
図書館で借りました。淡々とした学生・教育関係者へのインタビュー、レポートと言った感じです。極端に北欧を持ち上げたり日本を蔑んだりせずフラットな文体で受け取り方や結論は読者に委ねているところがあるかも。2017/02/26
蓬
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ノルウェーの歴史について調べていた時、教育に関する頁で「中学〇年まで成績がつかない」(〇の数字は失念)という記述を見て驚いた。日本の詰め込み教育と違い、実に自由な学習スタイルが効率的な労働や男女平等、報道の自由等の下地になっているのかと思い、本書を手に取った。幼少期から画一的な教育に縛られるのではなく、子どもにそれぞれ思うように学ばせ遊ばせる。学習についていけない子がいたら、ドロップしないように支える。クラス単位の生徒数が少ないからできる芸当かとは思うが、旺盛なチャレンジ精神はこうして育つのだと気づく。2019/01/30
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