タフラブ 絆を手放す生き方

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タフラブ 絆を手放す生き方

  • 著者名:信田さよ子【著】
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 株式会社dZERO(2022/09発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784907623548

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内容説明

侵入しない・させない関係をつくる。寂しさと共存し、穏やかに、やさしく、タフに暮らすために。

タフラブは、ベトナム戦争帰還兵のアルコール依存や暴力に苦しむ家族が「生きる術」として生み出した概念。「手放す愛」「見守る愛」などと訳されている。
東日本大震災以来、「絆」が困難を乗り越えるためのキーワードとして使われてきたが、「絆」は本来、牛馬などをつなぎとめる綱のこと。家族や世間の絆に苦しめられてきた人々のカウンセリングを長年続けてきた著者は「絆」に疑問符を投げかけ「タフラブ」という生き方を紹介する。『タフラブという快刀』(2009年)を改題し、加筆・修正・再編集した作品。

【著者】
信田 さよ子
臨床心理士、日本公認心理師協会会長。1946年、岐阜県に生まれる。お茶の水女子大学大学院修士課程修了。駒木野病院勤務、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室室長を経て、1995年原宿カウンセリングセンターを設立。アルコール依存症、摂食障害、ひきこもり、DV、児童虐待に悩む人やその家族のカウンセリングを行ってきた。 著書に、『母が重くてたまらない』(春秋社)、『選ばれる男たち』(講談社現代新書)、『カウンセラーは何を見ているか』(医学書院)、『家族と国家は共謀する』(角川新書)などがある。

目次

序 章 タフラブの誕生
医療では救われない/勇気をもって手放す/戦争の落とし子/帰還兵の暴力/実体なき「人の心」 ほか

第一章 無法地帯
複雑に絡み合う現実/「崩壊」は悪いことか/「私」と「私」/「弱まる絆」論/持たざる者の希望/モテる男の証/社会の底辺で ほか

第二章 巨大なスポンジ
果てしない吸収力/性本能と母性本能/珍獣パンダ/父性と父権/正義の父/「私に任せなさい」/現代の秘境 ほか

第三章 切り分け
油と酢のように/母の愚痴を聞く娘/「切り分け」の法則/沈黙の臓器/必殺代理人/「問題」とは何か/除外される「父の問題」 ほか

第四章 覚悟と断念
寂しさとともに/結婚制度に囲い込まれ/「積みすぎた方舟」/「夫が娘を蹴ったんです」/久しぶりの深呼吸/四八パーセントの協力 ほか

終 章 関係からの解放
それは蜃気楼/控えめなリスク回避

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おおにし

18
「男たちは自分の性が依存せざるをえないことを知っているからこそ、結婚制度で女を縛りつけて依存的になるよう仕向けているのかもしれない。」著者の発言に対して反論することは何もない。マチズモの本質はここにあるのだと私も思う。男性が女性に依存する存在だということに気づき始めた女性たちが、タフラブという夫婦や家族という絆からの解放へ歩みだしている。我々は女性との新たな人間関係を構築できるかどうかが大きな課題となるだろう。2024/05/29

香菜子(かなこ・Kanako)

17
タフラブ 絆を手放す生き方。信田 さよ子先生の著書。侵入しない・させない関係は理想的。でも侵入しない・させない関係をつくることは難しい。侵入しない・させない関係は絆をつくるよりもずっと難しい。絆絆絆と絆ばかりが強調されることが多いけれど侵入しない・させない関係をつくることが絆をつくることよりもずっと生きやすさにつながりそう。絆が一番、絆が大切、と絆の押し付けはもうたくさん。過度な絆、絆の共用、絆の押し付けは過干渉や共依存につながることだってあるから。2022/12/16

Kooheysan

8
「家族はそれぞれ距離を置いたほうがいいのです」(『傷つく人、傷つける人』)の具体的手法が提示された本。これは家族間の関係のみならず、安全な人間関係の構築についても応用できそうです。「別々の人間が「理解しあう」「わかり合う」なんて、所詮無理な話だ。「私」には理解できない「あなた」がいることを認めないところから、いろいろな問題が起こっている」(p.116)。だから、必要なコミュニケーションとしては、自分の思いを淡々と伝えること、そしてせいぜい気にかけていることを伝えること。本書の重要な指摘だと思います。2024/07/31

二人娘の父

7
セックスレスで妻の「気持ち」が分からなくて、自分も「何を考えているのか分からない」と言われ、自然と会話もなくなっていく−−そんな関係がすでに5年近く続く。現在の自分たち夫婦の状況に引き付けて読み込んだ。結論として、私は多くの事に無自覚に囚われていたのだろう。過去やこれまでの関係性。子育ても終わり、これからの自分たちの人生の残り時間も見えてくる中で、大切にしたくなるのは、やはり自分の尊厳であり、自分であること。夫婦でも私は「私」、相手も「私」。侵入しない、させない関係。それはまったく悪いことではないのだ。2024/05/03

山のトンネル

7
現代版「愛するということ」みたいな本。2023/04/28

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