あの南天の木はまだあるか - 満州「被差別部落」移民

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あの南天の木はまだあるか - 満州「被差別部落」移民

  • 著者名:麻野涼
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • えにし書房(2021/01発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784779113208

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内容説明

差別のない豊穣と自由の大陸、満州へ--。国策によって大陸へ送り出された移民史上ただひとつの被差別部落。偽りの希望の果ての集団自決……。貧困と差別を生き抜いた主人公がたどり着いた真実と希望。史実を元にした感動長編。
 満州に行けば差別されずにすむと移住したとですが、それはまったくの嘘だった。熊本には菊鹿郷開拓団が送り出されています。わしらK町開拓団は最初から計画的に部落の者だけを集めて満州に送られた。
満州では差別から解放されたような気分になっておったとですが、わしらは目隠しされておったのと同じことです。部落差別を覆い隠したのは中国人に対する民族差別たい。わしらもここにいる康衛と同じだったと。差別は、もっと弱か者ば見つけて、また新たな差別を生み出すとです。そこで差別された者は、さらに弱か者ば探す。そげんこつしておったらいつまで経っても差別はなくならんとです。(本文より)

目次

プロローグ
第1章 帰国
第2章 皇紀二千六百年
第3章 ささやかな希望
第4章 赤い血
第5章 鍬の戦士
第6章 部落差別
第7章 短命
第8章 熱気
第9章 分散
第10章 先遣隊
第11章 第一次本隊
第12章 旅立ち
第13章 恩師
第14章 新天地
第15章 楽園
第16章 邂逅
第17章 第二次本隊
第18章 豊穣
第19章 住民運動
第20章 連鎖
第21章 現地応召
第22章 政治献金
第23章 劉一家
第24章 八・一五
第25章 説明会
第26章 集団自決
第27章 南天の木
用語解説

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アンデス民話

1
壮絶。

のあ

0
知らない事が一杯あって、勉強になりました。 今でも差別が存在しているのでしょうか。2015/09/02

けい

0
これは重い。先だっての某テレビ番組で、谷川俊太郎氏が、「戦争はなくならないと思う。」とおっしゃったそうだけれども。そう、差別も、きっとなくならないでしょう。善し悪しではなく、そこにあるものを目をそらさず向き合うことが肝要。そうした上で、さあ、どうする?2015/08/12

寝なきゃ

0
フィクションです。満州なんて有りませんから。満洲なら有りますがね。2015/01/18

ちひろ

0
差別のことは知っていた。満州移民のことも知っていた。しかし両方の悲劇に見舞われた人々がいるとは。物語は悲惨な最期がわかっている戦前~敗戦までの満州移民の物語と、36年後に主人公がただひとり故郷に戻り、またしても奪われようとする故郷を守る物語が交互に展開される。差別された側の猛烈な怒りが本から立ち上ってくるかのようだ。膨大な犠牲のもとに守られた故郷に未来はあるか。私達は大地郎たちの見た未来を生きることができているか。2024/08/31

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