内容説明
フリーライターをしながら作家を志す25歳の馬場浩一は、街の古書店、野沢書店に出入りしている。店主の野沢勝利と娘の玲子と懇意にしながら、趣味や仕事、執筆の資料として出会う古書を通じて不思議な事件や謎にぶつかる。古書マニアの著者が知る業界の事情を巧みに盛り込み、SF、ホラー、ファンタジーを横断する連作集。平成の隠れた古書ミステリが初書籍化。日下三蔵氏による編者解説も併録。
目次
第一話 あやめ日記/第二話 総長の伝記/第三話 挟まれた写真/第四話 サングラスの男/第五話 おふくろの味/第六話 老登山家の蔵書/第七話 消えた『霧隠才蔵』/第八話 ふたつの不運/最終回 大逆転!!/古本人生/編者解説 日下三蔵
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
66
古書に纏わる様々な話を収録した短編集。SF、ミステリにホラーとジャンルは多岐に渡っているが、どうも一つ一つの話は小粒なような気がしてならない。もう一捻りが足りないというか、もう少し深掘りが欲しいというか。それでも読んでいると、古書店や古書市が持つあの独特の雰囲気が思い出されるのは嬉しいところ。あと古本トリビアも楽しいな。『食道楽』で有名な村井弦斎が大量のSFを書いていたとか初耳だし。佐藤垢石の『幽影物語』に俄然興味が湧いてきたり。人を選ぶと思いますが、古本好きの人なら雰囲気が気に入る一冊だと思います。2022/11/21
keroppi
60
横田順彌といえば、ハチャメチャSFを書いたり古典SF研究で好きな作家だが、こんな古本にまつわる連作短編も書いていたんだ。古本屋を舞台にほのぼのとした人間関係を描いているかと思いきや、SFタッチがあったり、ホラーがあったり。「おふくろの味」なんてそのラストに唖然とする。さすが古本収集に詳しい横田さんだけあって、読みたくなる古本も色々出てくる。村井弦斎「食道楽」は、図書館に予約入れちゃった。2025/08/09
ヒデキ
60
ヨコジュンさんの未刊だった古書店シリーズです 本自体をテーマにしていますが、 買取や古書展など古書店さんの活動が、主体のように思えました。ご主人の過去をもっとしりたいと思ってしまいました。 平成のタイトルが、ついて2000年代の初出ですが、 感じは、70年代~80年代という感じに思えてしまいました。 久しぶりにヨコジュンさんのSFを読みたくなりました2023/09/21
ヨーイチ
34
作者は構成の日下三蔵によると二期に分類される古参のSF作家とのこと。名前だけは知ってた。古書奇談とあるが、古書蒐集家でもあった作者の「古書」をテーマとした連作集をちくま文庫で発刊した物らしい。小説としては軽い連作で古書がテーマってわけでは無いらしい。でも古書店主の蘊蓄、経験談とかに「古書」に親しんできた作者の深みが隠されている。そこら辺が分かると中々深い一冊かも知れない。解説によると架空の古書も混じっているらしい。でもこの前読んだばかりの村井弦斎「食道楽」があったのは嬉しくもあり、チョット鼻高々。続く2024/07/10
hippos
28
一編一編の話は中途半端感が否めないけれど、古書にまつわる短編連作として捉えるとまずまず面白かった。業界のことも少しは知れたし。 個々の短編では「おふくろの味」が印象深い。2022/11/13
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