内容説明
東京大学にて1・2年生向けに法学の導入科目として開講されている人気の講義「現代と法」の書籍化。法学部の教員がオムニバス形式で,同性婚や非正規格差問題,ビッグテックへの対応など注目の論点をわかりやすく解説。法学への第一歩を踏み出すための一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
69
法学というと日常生活から遠い存在に感じるが、本書はインターネット上の影の部分や同性婚から始まる今日的で身近な話題を扱っている点がいい。基本的なアプローチの仕方も書かれている。例えば:「何かを知ろうとする際、まず基本的な言葉を整理すること、大雑把な構造を知ることが大事である。」と。2023/10/23
つーちゃん
13
見た目のゆるさとは反面、結構ムズいぞ。東大の法学の講義をちっちゃくまとめたやつが13個入ってる感じ。白石忠志さんの競争法は、中身全然分かんなかったけど理解するまでのプロセスはなんか面白かった。思考法的な?こういう形式での講義受けてみたい的な。一番好きなのは瀧川裕英さんの法哲学!ホント常々思ってた、「一人一票の原則を疑う」こと。どうせ小選挙区制で一票の格差あるんだし、バリバリのシルバー民主主義なんだから、余命制にしたり、子供の票を親が投票できるようにしたりすればいいのにね。とりあえず東大スゴイ。2022/10/06
オサム兄ぃ
10
朝ドラ「寅に翼」が大好きだ。俳優陣の熱演や、脚本の小気味良いテンポや、真っすぐにジェンダー問題に向き合う姿勢など素敵な要素ばかり。しかし「はて」こうも夢中になるのは何故かしら、と思い返してみた。そう40年前の春、小生は法学部の新入生だったのだ。そこで「法とは何か」を再確認したくて手に取った。東大法科の教授陣の他学部1・2年生向け授業を元に13の切り口で法を学ぶ意義を解き明かしていく。簡単とは言い難いが、詳しく理解する必要はない。法との付き合い方をざっくり頭の中に描くのに最良の一冊だ。2024/04/14
takeapple
4
法学初学者向け入門書、高校生でも興味深く読めるとのことだが、さすが東大教養課程での講義をもとにしているだけにレベルが高い。法学の様々の分野が人々の生活を豊かにすることが分かった。2025/03/23
(まだない)
2
東大の新入学生向けに設定された講義録。最後の「一人一票の原則を疑う」はなかなか刺激的で、だが目から鱗の論考だった。一票の格差をめぐって選挙の都度裁判で争われるが、得票数を議員の持ち票とし、議員一人の価値に差をつけるというのは面白い。将来を担う若い世代のために、高齢者ほど有利になっている現状(シルバー民主主義というらしい)を改めるため、余命に応じて票を割り当てるというのもある意味合理的。もうシルバー世代に入っている身としては切実だが。😅(2022/12/14読了)☆3.0点2022/12/14