笑顔のつぎ木 東京藝大・クローン文化財

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笑顔のつぎ木 東京藝大・クローン文化財

  • ISBN:9784808712495

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内容説明

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失われた文化財を、超精細再現する技術と意義を紹介

古くより伝承されてきた伝統的な模写の技術と、現代のデジタル撮影技術や2D・3Dデジタル技術を融合させ、流出・消失した世界中の文化財を復元する、これまでにない高精細な複製は「クローン文化財」と名づけられた。

クローン文化財作成にあたり、オリジナルの詳細な調査を行い、デジタル技術とアナログ技術の双方を駆使する。絵具や基底材などの成分、表面の凹凸、筆のタッチまでを忠実に再現するべく、東京藝術大学COI拠点によって開発が進められている。

【掲載クローン文化財例】
・アフガニスタン|ゼウス神像、バーミヤン東大仏・天井壁画
・ウズベキスタン|アフラシアブ遺跡
・北朝鮮|高句麗古墳江西大墓
・中国|敦煌莫高窟
・フランス|オルセー美術館絵画
・ミャンマー|グービャウッヂー寺院
・日本|法隆寺金堂釈迦三尊像・金堂壁画、浮世絵、横山大観絵画、雪村絵画

このまさしく「文化財のクローン」と呼べる技術は、例えば、植民地支配時に収奪された文化財の返還問題に寄与することができる。文化財という世界共有の財産を守り伝える新技術として、本書では、文化の共有と継承、平和の実現を目指す「クローン文化財」の意義を、その制作・展示の過程とともに紹介する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

35
最新のIT技術に裏付けされたスキャナーや3Dプリンタ、そして人の手による長年の研究と技術によって、永き時間や火災や事故で失われた美術品や壁画や彫像などの遺跡を保存、再生、そして復活させる「クローン文化財」。当時の色彩や形状を再現するだけでなく、今や自然光や空気に晒すことですら劣化を招く貴重品を、レプリカし、広く現代の人々に見てもらう。加えて未来へ残すという大事業。昔の人が見たであろう作品を現代で、"気軽"に見られる「技術」。大いに予算をつけ、後世に残してもらいたい。2023/04/13

yyrn

21
憧れのスターは常に実物を拝める訳でもなく、多くは映像や写真などの二次情報に触れるだけだが、それでファンは満足なのだから、文化財も精巧なレプリカを用意して多くの人に見てもらった方が文化の浸透には良いに違ない。▼現状の文化財を忠実にコピーする①「クローン文化財」。劣化や損傷を補い製作された当時の姿を可能な限り復元する②「スーパークローン文化財」。さらに作者の思いを汲んで?勝手に発展させた?③「ハイパー文化財」の3種類を、具体的な復元&制作過程の解説とともに詳しく紹介してくれる本だったが、②までは理解できたが⇒2023/03/05

宇宙猫

14
挫折。クロン文化財は興味深い試み。でも、思ったより専門的な内容で、パラパラ摘まんで読む。2022/12/23

saorinn

7
去年、クローン文化財展に行きました。これは本当にすごい取り組みなので、また機会があれば見たいなーと思います。戦争や災害で文化財が傷ついたとしても、本当の姿のデータが残っていれば、いつか修復して将来に残すことができるかもしれない。大きな希望です。2023/02/05

参謀

2
クローンというと生物が思い浮かびますが、文化財の現代の技術を駆使した高精密の贋作といったところでしょうか。3Dプリンタや解析機器が進化しているからこそできる業ですね。それでも細かい所は手描きだったりと最終的には人の手が入っているようです。世界に点在する関連作を一同に観覧できるのは嬉しいかも。AIによるイラスト作成が最近話題になっていますが、絵画に関しては現物を知らないと本物と思ってしまうかも…ところで以前見たと思いますが、バベルの塔もクローン文化の作品だったんですね~。2023/03/01

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