大正女官、宮中語り

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大正女官、宮中語り

  • 著者名:山口幸洋【著】/河西秀哉【監修】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 創元社(2022/09発売)
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  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784422201672

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内容説明

「聞いてくれればどんなことでも話しますよ」。
大正天皇・貞明皇后の最側近として仕えた高等女官坂東登女子の回想録。女官の過酷な仕事、恋愛、生理事情、「お茶目さん」だった大正天皇の一日やその素顔とは。
お金の使い方がわからず三越へのお使いで戸惑ったこと、
大正天皇・皇后と雪だるまを作ったこと、宮内大臣に水をかけていたずらをしたことなど。袴を蹴って歩いた日々の思い出を言語学者の山口幸洋がまとめる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くさてる

28
大正天皇・貞明皇后の女官として仕えた女性に当時の宮中の生活や仕事、皇室の人々のことなどを聞き取って活字化した内容。著者も繰り返し述べているけれど、やっぱりもっと詳しく、細かく聞きたかった……と思うほど、その語りは面白いし、興味深い内容でした。独特の言葉遣いや、宮中の雰囲気が感じられる箇所も多く、面白かったです。2022/11/30

アカツキ

13
父親や大伯母が宮中で働いたことから登女子も女官・椿局として働くことに。その時の思い出を語ったもの。天皇・皇后から愛された重宝された、みんなの人気者だったという自慢話にも取れる言葉が随所にこぼれているが、サービスカーやお買い物での世間知らずなお嬢様的言動(皇族方のほうが世慣れている)を思うと本当に愛される人柄だったのかも。ただ、厳しく躾けられてきたせいか下方の言葉遣いや振る舞いへの目線はやや渋い。当時の写真はたっぷり雰囲気があって素敵。2022/12/03

hitotak

10
方言学者であった山口氏が昭和49年に大正天皇に仕えた元女官・椿の局こと旧姓梨木登女子へ行った聞き取りをまとめたもの。山口氏が専門家でないためか語りの内容に不明点や間違いも多い(膝行を疾行と間違えている等)が、独特の御所ことばで語られる大正天皇や宮中の様子は興味深く面白い。下々の者の言葉使いや習慣に感じる違和感や、歴史の中枢をすぐ傍で見ていたような自慢気な物言いに、宮中で仕えた日々に誇りを持っていることも感じられた。大正天皇に殊の外気に入られ、皇后の機嫌が悪くなり困った、といった趣旨の記述もある。2023/02/12

いづむ

9
言語・方言学者による、大正天皇・貞明皇后に仕えた「椿の局」」への聞き取り記録。イメージが薄かった大正天皇の聡明で優しくユーモアもあったという人物像が伝わると同時に、御所のお勤めや生活、人間関係なども垣間見られて興味がつきない。話し言葉の文字起こしなので、「遊ばせ」言葉と「小松つあん(こまっつあん)」なんて江戸っ子風な呼び方が混在していて、当時のこうした身分の方の言葉の違いも面白い。日常の記録という観点と別に、宮中祭祀を司る天皇の仕事と役割を知ると、今後の皇位継承の議論にこういう視点の必要性も感じました2022/10/05

チョビ

6
この本の目的と帯のアオリが乖離しているため、帯を信じて読むと肩透かしを喰らう。よって、御所ことばがわからないとこの本は用をたさないし、拾い読みになるため、自慢話が予想より多く見える。また実像より自分を大きく見せようとする語り部(機密事項も特に出てこない)の気持ちからして、昭和の激動を、かつ自分の力で生きれない上、華族(語り部は華族ではない)にも嫁げない、没落していく家すら黙って見ることしかできない現実からの逃避にも見えて、哀れに見えた。2022/12/20

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