内容説明
ジュディス・ポッツは77歳。ロンドン郊外マーローの古びた邸宅に独り住まいで幸せな日々を送っている。まわりには、仕事やウィスキーの量に口をさしはさむ人などおらず、退屈しのぎに「タイムズ」紙向けのクロスワード・パズルを考案している。ある夜、テムズ川で泳いでいると、ジュディスは残忍な殺人を目撃してしまう。地元警察は彼女の話を信じず、ジュディスは自ら事件の調査に乗り出すと決め、ドッグ・ウォーカーのスージーと、司祭の妻であるベックスを仲間に加え、「マーロー殺人クラブ」が誕生する。別の死体が現れたとき、3人は自分たちの行動範囲に連続殺人犯がいることに気づく。3人が解こうとしたパズルは、逃れることができない罠となる――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
88
『ミステリーツアー』にて青崎有吾さんが「ベスト級に好き」「木曜殺人クラブより面白い」と書いていた作品。タイトルも似ているし、比較してしまうが「木曜〜」の一作目よりスッキリして楽しめた。まずテムズ川沿いの風景がのどかで癒される。さらに邸宅に住み、金銭の心配はなく健康、川で泳ぎ自転車で走り一人暮らしを楽しむ77歳のジュディスが魅力的だ。目にした事件に首を突っ込み、ハラハラしながらも応援したくなるキャラクター。距離を保ちつつ親しい友を見つけ友情を育んでいく姿にも拍手。明るい老後に万歳したくなる気持ち良い作品。2024/07/02
うまる
36
ちょぴり風変りで、その地域では知らない人がいない高齢者が主人公なんですが、本人は目立ってないと思ってるのが面白い。どう考えても、その年で川を泳いでたらビックリでしょう。しかも全○ww 事件をきっかけに、行動力が変わっていく中年組が良かったです。クライマックスの行動は驚きでした。なんとなく落ち着いちゃって、自分のために派手に行動する事がなくなってくる年齢ですもんね。そんな中年もお年寄りも、ハメを外したって良いじゃないって感じで、元気を貰える話でした。もちろんミステリ部分も◎。次の作品も翻訳版出て欲しいです。2023/02/01
みなみ
30
「ミステリーツアー」という本で、青崎有吾さんが「木曜殺人クラブ」と比較して紹介していたことを切っ掛けに読んだ本。主人公で77歳のジョディスが、テムズ川で泳いでいたところ、殺人を目撃したことから事件の調査に乗り出す本。主人公が友人たちと会話しつつ捜査を進めていくストーリーは、確かに木曜殺人クラブと似ているけれど、あちらの方がアクション多めかな。2025/04/06
香菜子(かなこ・Kanako)
24
マーロー 殺人クラブ。ロバート・ソログッド先生の著書。残酷な殺人事件を何も解決できないダメな地元警察。そんなダメな地元警察にとても殺人事件の解決なんて任せていられないから誕生したマーロー殺人クラブ。ダメな地元警察よりもマーロー殺人クラブのほうがよほど頼りになる。マーロー殺人クラブにお金を払って街の治安をを守ってもらったほうがよほど安心と思ってしまう読者の人もいそう。マーロー 殺人クラブは日本のミステリーとはひと味違うミステリー。ミステリー好きならきっとお気に入りの一冊になります。2022/10/08
アカツキ
23
小さな町で暮らす老婦人ジュディスは隣人の叫び声と銃声を聞いて警察に通報するが適当にあしらわれてしまう。翌日、ジュディスは隣人の死体を見つけるが頼りにならない警察に業を煮やして自ら調査に乗りだして…。ドタバタ素人探偵もの。調査を進めるうちに牧師の妻ベックス、犬の散歩代行業の女性スージーと親しくなり、さらには事件担当の女性警察官と共同戦線を張ることに。そして仲間が解いたジュディスの過去。結構無茶をしているがそこが楽しく、女の友情でそれぞれが輝きを取り戻していく素敵な作品。2022/12/10