内容説明
ボトム(どん底)と呼ばれる丘の上で育った黒人の少女、奔放なスーラと大人しいネル。正反対の性格を持つゆえに、少女たちは固い友情で結ばれた。二人で犯した許されざる罪でさえ、隠し続けられるほどの絆。だが時が経ち、ネルの結婚式の日を迎えると、なぜかスーラは町を去ってしまう。十年後に二人は再会を果たすものの、その友情は……。黒人社会の光と影を、女性たちの成長とともに描く、ノーベル賞作家初期の傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
111
素晴らしい小説を読める喜びで全身がぞくぞくした。とてつもない傑作。スーラとネロという黒人の女性の友情を軸に、男性と女性、白人と黒人、愛と孤独、希望と絶望といった正反対の要素を縒り合せて奥深い物語を作り上げている。一番感心したのは、ジョイスやプルーストが四苦八苦してやり遂げようとした西洋の小説を再構築する試みに、楽々と成功していることだ。リアリズムの描写の中に神話的な要素が無理なく溶け込んで、斬新な小説になっているのだ。一本足の女性エヴァが神話的な人物の代表格で、(続く)2017/03/03
ω
44
青い目が欲しいに続いていってみよーω! しかし撃沈笑 難しかったよ〜。子供の頃超仲良しの黒人女の子2人🤝スーラとネル。 大人になった後の展開、丘の上の黒人専門村「ボトム」の住民の反応。そしてラスト。 解説記事でも読んで納得せねば…2023/08/19
myon
12
ノーベル文学賞受賞作家による、黒人女性の物語。2人の少女の人生が、さまざまな出来事とともに綴られる。再読したい。2022/10/27
Kotaro Nagai
8
長編第2作(1973年)。ボトムと呼ばれる丘の上の黒人社会で育ったスーラとネルの二人の少女が大人になり死別するまでを描く。スーラは母、祖母の破天荒な性格を受け継いで自由奔放な性格。ネルは厳格な母の元で育ちの良い娘として育つ。スーラは悪意のない罪を犯し、ネルは黙って見るのみ。当時の黒人コミュニティーの社会通念は知る由もないが、理解するのは一筋縄ではない。スーラは言う「誰かによくしてあげるってことは、誰かに意地悪をすることと同じなの」(214ページ)。社会・人物を一元的に描かないことこそ著者の真意と感じる。2025/08/28
まさきち
5
読み進まず、諦めようかと思いつつ何とか!と最後飛ばすように読んだ。最後の最後でこれが主題ね、と行き当たったけど、解説もあってなんとか理解の淵に立ったくらい。2024/08/13
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