内容説明
「法学教室」の好評連載「探検する憲法」が充実して書籍化。高校までの「憲法」学習と大学の「憲法」学修との間のギャップを,教育学者の素朴な問いかけと,憲法学者による丁寧な応答(解説)を通じて解きほぐした。憲法教育の視野を広げるインタールードも必見。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とりもり
4
良書。ずっと疑問だった「議院内閣制は三権分立に反するのでは?」という疑問点の回答が得られたのが一番の収穫。立憲主義の基準としての三権分立に固執しすぎている日本の憲法学は、この点で議論が停止してしている気が。その他、違憲審査制に内在する課題(民主的プロセスで選任されていない裁判官が立法府に優越する)や、「公共の福祉」という漠然とした概念が人権全般に対する制約要因となっていることへの懸念、統治に対する規定が弱く改憲なしで制度を変えられることなど、比較憲法の観点からの日本国憲法の課題がよく分かった。★★★★★2023/02/20
はやしやもり
2
憲法比較学の手法として縦軸に歴史的展開を横軸に国際比較を設定してさまざまな国の切実な試行錯誤と過程としての調整の中でバランスされてきた憲法について学べる本。内容は難しいけど刺激的で面白かった。2023/07/31