文春e-book<br> 私たちはAIを信頼できるか

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文春e-book
私たちはAIを信頼できるか

  • ISBN:9784163915944

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内容説明

ゲーム、言語、哲学の最新知見から、最先端の5人が集まりました。
「信頼」をテーマに、2022年の「AIと人類」の現在地に迫ります。
AIは世界を再構築できるか。「意味がわかる」とは何か。
人間の無意識は、AIに奪われているのか。
もっともわかりやすく、もっとも刺激的な、2022年のAI論!

〈目次〉
はじめに 生活と社会のなかの人工知能 山本貴光

TALK1
三宅陽一郎「世界と知能を再構築する」
エッセイ 人と人工知能の拡張――メタバースとスマートシティ、リアルと仮想を越えて

TALK2
川添愛「意味がわかるとは何か」
エッセイ “信頼できるAI”に向けての課題

TALK3
大澤真幸「無意識が奪われている」
エッセイ 〈無為〉という能力

TALK4
座談会「私たちはAIを信頼できるか」
大澤真幸、川添愛、三宅陽一郎、山本貴光、吉川浩満

BOOKS
AIと人類の36冊 山本貴光&吉川浩満

おわりに 吉川浩満

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

61
ある時期を境にして、AIの2文字が氾濫し始めた。それまで、ITと言っていたのが急にだ。多少なりとも、その周辺にいた者として、違和感が大きく、今はさらに違和感が大きくなっている。AIとさえ言っていればいいような風潮で、誰もが、何もわかっていない。それを前提にして、この本を読むと共感できることが多い。改めて、言葉・表現・理解・感情ということを考える。そしてタイトルにある信頼の2文字。AIを考えることは、人間とは何かを考えることでもあるてゃ、その通りだと思う。もっと、地に足のついた思考が必要だ。2022/12/25

tamami

59
それぞれ社会学者、言語学者、ゲームAI開発者である三人が、ゲーム作家、編集者の二人からAIの現在と将来、人類への貢献と課題といったテーマでインタビューを受け、私たちとAIとの付き合い方を考える。AIが形作る未来の世界、人類とAIとの関わりがもたらす可能性と課題等々について、大変に示唆を受ける。いわゆるゲーム脳など、AIがもたらす危険性が言われているが、社会学者の大澤さんの「AIは人間のように考えていない。意識的に抵抗しなければ、データ教に呑み込まれてしまう」との指摘は、人間の心の本質によるものだけに重い。2022/10/13

ころこ

38
吉川・山本コンビによる三宅・川添・大澤とオールスターのような座組の対談と座談会。AIができることを論じるのかと思いきや、ここで到達しているのは、例えばAIが小説を書けるようになると、そもそも「良い小説とは何か?」という問いが人間の側に改めて生まれるようなことだ。AIによって人間の上澄みだけを掬っている「人間そっくり」をつくり出すことで、はじめてその不気味さ、問題点に気付くことができる。例えば野球の審判を完全にAIにしようという議論がある。ビデオ判定を補助的に使うようにAIを使うのならば賛成だが、全面的にA2022/10/14

nbhd

16
2022年の本。文学界に掲載されたAI特集を書籍化したもの。人工知能と人文知を結ぶような内容の良い本なのだけれど、どこか頭でっかちなかんじもした。人工知能を学ぶとすれば、概説書を読むよりも多少でも技術書を読んで、まずは「AIはコンピュータプログラムに過ぎないこと」を身に染めたほうがいいのでは、と思うようになった。やはり、人工知能への人文的な過剰な接近は、頭でっかちになっちゃうから良くない良くない、と肝に銘じた。2024/03/23

桔梗屋

7
AIが人類文明に対して多岐にわたる影響力を持ちつつある中で、ゲーム、言語学、社会学の各分野の第一線の皆様で「結局、AIって信頼に値するの?どうなの?」話を、これまた気鋭の文筆家2名相手に、インタビュー&座談会で語りまくる、という本。AIについては、当分この本と、この本のメンバーの本と、巻末のブックガイドの本読めば事足りると思います。ChatGPTと戯れてる中で「まだまだ腹割って話すのは無理」と悟ったんだけど、言うて「何考えてんだか予想もつかん奴」は信用できない、ってのはAIに限ったこっちゃ無いよなあ、と。2023/04/09

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