岩波新書<br> 森 外 学芸の散歩者

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岩波新書
森 外 学芸の散歩者

  • 著者名:中島国彦
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2022/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004319375

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内容説明

恋愛,性欲,大逆,殉死──多彩な,時に問題視される小説を次々に発表.翻訳や論争や雑誌活動にも精魂傾け,軍医高官として論文執筆や公務もこなす.荷風や啄木や一葉など後進の作家にも目をかけ,子どもたちからは優しいパッパと慕われる.「時代より優れ過ぎた人」 外の歩んだ遥かな道程を,同時代の証言とともに辿る決定版評伝.

目次

プロローグ――自伝と証言の間
Ⅰ 林太郎として生まれて──日本とドイツ
1 故郷と両親――青野山に見守られて
2 医学に導かれて――上京と医学校生活
3 ドイツ留学――諸都市をめぐる
Ⅱ  外への変貌──創作と軍務
4 ドイツ三部作――エリーゼ事件と最初の結婚
5 翻訳と論争――応答する自己
6 「観潮楼」での新しい試み――『美奈和集』の成立
7 小倉での日々と再婚――新たな出会いと別れ
Ⅲ 飛躍する 外──文壇への復帰
8 東京への帰還と日露従軍――『うた日記』の世界
9 新しい表現を求めて――『スバル』での活躍
10 小説世界を広げる――『青年』の心理
11 大逆事件に向き合う――「かのやうに」『雁』「灰燼」
Ⅳ 林太郎として死す──歴史と人間
12 明治の終焉――「阿部一族」「安井夫人」の造型
13 歴史小説の展開――「山椒大夫」「高瀬舟」の試み
14 史伝の世界――「澀江抽斎」「北条霞亭」の境地
15 晩年の仕事――遺言に至る道
エピローグ――移ろい,よみがえる 外
 外略年譜
あとがき
 外作品名索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

122
今年は没後百年。鴎外の評伝というと、舞姫事件、嫁姑の確執、陸軍での出世栄達、脚気論争などが語られることが多いが、本書は、そういうプライベートな記述は必要最小限にとどめ、文学者としての鴎外を、作品とともに冷静に辿るという姿勢がいい。作品の中から多くの文章がそのまま引用されており、「国語と漢文とを調和し、雅言と俚辞とを融合せしむ」という鴎外の文体を味わうことが出来る。私は、20代の時に鴎外全集を読んでるはずだが、著者が重要だと指摘する「埋木」や「灰燼」など、全く記憶がない。死ぬまでに、もう一度鴎外全集か…。2022/11/17

パトラッシュ

106
鷗外の伝記はいろいろ手に取ったが、本書は新書版の体裁もあってオーソドックスだ。家族や関係者の証言からドイツ留学や二度の結婚、出征など様々な出来事や、文学活動とその評価もくまなく押さえ、一冊読めば鷗外の生涯をほぼ理解できる。積み重ねられてきた研究の集大成として初心者には好適だが、エリスの正体や最初の妻との離婚、脚気論争での失敗などドラマチックな部分はさらっと流しており、少しでも知る者には特段の目新しさがない。明治文学の入門書として読んだ上で、医学と文学を股にかけた知の巨人がいた時代に思いを馳せるべきなのか。2023/03/05

春ドーナツ

21
今年の読書キャンペーンは「岩波文庫の新刊を毎月読む」だ。三か月連続リリース、なんで森鴎外なのだろう。帯にて判明。今年は没後百年にあたる(生誕百六十年)。新刊以外にも絶版になっていない岩波文庫版を3冊読んだ。数年前には林太郎は稀有な翻訳者だったことを知り、読み漁ったことも記憶に新しい。という訳で、岩波づいている私に本書を読まない選択肢はなかった。梅雨時に読んだ「鴎外追想」(なんとオリジナル文庫!)と内容が重複する部分が多いというか、こちらも一種の評伝なので致し方ない。久しぶりにかじりついて一日で読了。2022/07/26

マカロニ マカロン

20
個人の感想です:A-。今年(2022)は鷗外没後100年。60年の生涯で軍医、文学者、翻訳家、良きパッパなど多彩な才能を発揮したことは誠に尊敬できる。本書は鷗外の経歴と共に年代別に著作の批評と鑑賞がコンパクトにまとめられており読みやすい。特に独逸三部作、『雁』、『大塩平八郎』についての分析は興味深い。最近読んだ『青年』についても分析されていた。木下杢太郎は鷗外を「テエベス百門の大都」と知識の幅広さ、そ夫々夫々の分野における深さを称えているそうだが、同時にその孤高さに「寂寥の感が湧起する」称号でもある2022/12/14

nagoyan

13
優。鷗外没後百年を記念して、岩波新書から出た鷗外の評伝。「学芸の散歩者」の副題。本書は、長い鷗外研究の成果を広く参照。鷗外その人を説きながら、同時に鷗外をめぐる分厚い言説の海の航海図であり磁石でもある。石見人森林太郎が、独逸留学を経て、帰国後医者・軍官僚となりながらも、文筆の世界で活躍していく様を描く。独逸三部作、翻訳文学、和歌、歴史小説、史伝へ。花袋、荷風との交友。芥川との関係に触れつつ往時の文壇の世界を彷彿とさせる。長女茉莉、次女杏奴の眼を通した父鷗外。欧米に憧れつつ近代と向き合った孤高の精神。良い本2022/09/27

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