内容説明
技術は、戦争の変化を最もよく説明する変数である。本書では先史時代から現代にいたる技術の進化、戦争への影響を考察。豊富な事例をもとに、技術と戦争の相互作用を体系的に論じる。弓、チャリオット、攻城兵器などの軍事技術の発展はもとより、城塞、道路、蒸気・内燃機関、通信、コンピューター、原子力などの軍民両用技術が戦争と社会にもたらした影響をみる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さたん・さたーん・さーたん
4
古代から現代までの戦争技術史を、それぞれ時系列・陸海空・両用技術としての観点に分けて紐解く。行きつ戻りつ繰り返し触れられる革命的技術が主で、近代的な戦闘機・戦車・戦艦などの突っ込んだ技術比較はない。戦法・戦略の基本は不変であり、本書で解くのはその変数としての技術の遷移であり、社会や世界の変動の歴史に深く関わるさまを解きとてもおもしろかった。2020/10/29
剛田剛
2
・さほど新しい発見はなかった。よくまとまっているが、すでに言い古されたような内容の摘示が中心である。・チャリオット、火薬、原子力が軍事における三大革命を引き起こしたという主張にはおおむね同意だが、視点が西洋に片寄りすぎな気がした。・本書ではあまり強調されていなかったが、土木と輸送に関する技術が与えた影響も大きいことがわかった。2022/11/06
たろーたん
2
技術によって、戦争の形が変わるという本だった。特に、この本で重視されたのが、①チャリオット、②火薬、③核兵器・原子力だった。「技術により戦争の形が変わる」のであれば、今後、自律型兵器や戦闘用ナノテクノロジーなどが主流になった時、戦争がどのような形になるのかを想像するのは興味深い。また、この本を読んだ後に、魔法系ファンタジーを読むと、「そんな形の戦争スタイルにはならんだろ…」と思うようになった。2022/06/06
h t
1
戦争で使われる技術の進歩2021/11/13
やご
0
同シリーズ、3冊め。端的な題、大きなテーマにこれ以上はムリというくらいに簡潔な内容。同シリーズ共通です。著者はアメリカ海軍出身の研究者で、軍事史と技術史が専門とのこと。アメリカ陸軍士官学校で歴史学の講義を担当したこともあるそうです。本書は「戦闘を最も変化させた変数は技術である」との視点のもと、先史時代(!)から現代に至るまでの戦争と技術の関係を俯瞰していきます。(続く)→ https://gok.0j0.jp/nissi/1370.htm2023/01/13