中公新書ラクレ<br> あ゛ 教科書が教えない日本語

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中公新書ラクレ
あ゛ 教科書が教えない日本語

  • 著者名:山口謡司【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 中央公論新社(2022/09発売)
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  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121507723

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内容説明

「あ゛」「ま゛」といったマンガやネットに溢れる「ありえない日本語」。現代は感情を的確に表現するうえで、発音と表記の間にズレが生じており、それを埋め合わせるべく今日もどこかで前衛的な表現が生まれている。それは「五十音図」が誕生した平安時代さながらの状況であり、一〇〇〇年に一度の転換期なのかもしれない。本書は、古代の万葉仮名、「いろは歌」、江戸~明治の文学、学校の国語教育、現代のマンガにいたるまで史実にもとづいて日本語の進化の謎に迫る。この歴史の旅を通じて、「お」と「を」、「は」と「わ」、「じ」と「ぢ」の違いなど、日本語理解が深まる一冊。学校が教えてくれない「あいうえお」の世界へようこそ!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

113
マンガなどの「あ゛」という文字を例にしたタイトルだが、私には日本語に関する歴史的考察の方が参考になった。「古事記・日本書紀には濁音で始まる和語は一つもない」「藤原不比等の当時の読み方はプディパラのプピティオ」「なぜ濁音・半濁音専用の仮名が作られないのか」「を・は・へという助詞の謎」「なぜ「ぢめん」でなく「じめん」か」など言葉への興味が広がる。言葉は文化。今年度から、文芸作品を掲載せず実用的な契約書の読み方を教える「論理国語」だけを学んだ国民が増えることになる。日本人の心が失われるのではないかと心配になる。2022/10/19

へくとぱすかる

66
山口先生の本のタイトル買い。通常の表記にない文字がタイトル。出版社や書店は、何と発音してこの本を取り扱ったのだろう? 興味津々である。とはいうものの、コミックに慣れている大多数の読者は、ニュアンスをくみとって、発音できるだろう。あくまでも、この異様な表記を通じて日本語と日本語史を論じている本だが、こういった表記をめぐる心理、社会現象をさらに突っ込んで分析していけば、近未来の日本語や知的文化について、的確な予測も可能だと思う。余談ながら、かつての鐘ヶ江信光による、中国語の発音をカナで表記した入門書を想起。2022/09/29

がらくたどん

54
帯はまあアレですが日本人が会話の中で出している言語的な「音」はもともと50音(+標準的派生音)以上あるという事と、便宜的な50音が流布された歴史が確認できる本。ただし2章・3章で国語教育への疑問と提言が挿入されるので(確かに国語教育の歴史も日本語の音韻の変化と相互関連はしているのだが)1章・4章・5章と別建てで読み分ける方が分かりやすかった。江戸時代の読み本で既に登場人物の鼻濁音(江戸者)と濁音を区別するために清音に半濁点(〇)を二つ付けた例や大陸の権力交代を受けた奈良期の呉音→漢音への変遷が面白かった。2022/11/25

チャーリブ

47
題名の「あ゛」はマンガで感嘆詞のように使われているようですね。本書は、そうした新しい仮名文字から話を始めて、日本語の発音の変遷についていろいろと興味深い事例を挙げています。たとえば、藤原不比等は「プディパラのプピティオ」、蝶蝶は「ディェップ・ディェップ」と当時は発音されていたそうです。濁音と促音を除くと古文の「てふてふ」となるというわけです。古典の授業で教えてほしかったです。授業といえば2022年度から高校国語(論理国語)では古典や文学が消えて実用文を学ぶように変わっているとか。どうする日本語🤔。○2023/01/31

ことちん

17
目を引くタイトルに一目惚れ。面白かったのは昔の発音。奈良時代「父(ちち)」は「ティェティェ」、「つねこ」は「ティュネコ」、「徒然草」は「ティゥレ ディゥレ クサ」、「母(はは)」は「パパ」、藤原不比等は「プディパラのプピィティォ」。完全に外国語。「江戸」は当時は「イェド」、「ゐ(ヰ)」は「ウィ」、「ゑ(ヱ)」は「ウェ」と発音したらしい。言葉は10年ごとに少しずつ変化していく。100年経つと訳なしでは理解できない。大昔の日本語を聞いてみたいものだ。2023/03/02

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