内容説明
歴史がつまらないという人は残念ながら多い。その理由を探るべく、歴史学の流れを振り返ろう。事実、記憶、視野の大小など、その考え方は変化している。これを知れば、歴史が面白くなるに違いない!
目次
はじめに──歴史って、面白いですか?
歴史って面白い?
本書のめざすところ
第一章 高等学校教科書を読んでみる
原因は高等学校歴史教科書か?
ナショナル・ヒストリーではみえないもの
欠如モデルの問題点
記憶が排除される背景
つまらないのにも理由わけがある
第二章 「歴史を学ぶ」とはどういうことか
歴史学の父といえば?
実証主義と「記憶の排除」
公文書至上主義とナショナル・ヒストリー
資料批判と欠如モデル
科学としての歴史学の功罪
ランケ以後の歴史学
第三章 歴史のかたちはひとつだけじゃない
科学としての歴史学は良いとして
アナール学派の成立──フランス
労働史学の誕生──イギリス
世界システム論──アメリカ合衆国
「マルクスとヴェーバー」から──日本・その1
「下からの歴史」としての社会史学へ──日本・その2
モダニズムがもたらしたもの
歴史学に対するポスト・モダニズムの影響とは?
第四章 歴史の危機とその可能性
言葉とモノ
ソシュール、登場
言語論的転回と歴史学
歴史学者たちの対応・その1──受容
歴史学者たちの対応・その2──批判的考察
歴史学者たちの対応・その3──無視
ポスト・コロニアリズムも忘れちゃいけない
ポスト・コロニアリズムは、守備範囲を広げてゆく
第五章 世界がかわれば歴史もかわる
時代の節目、一九八九年
理論から実践へ
記憶研究(メモリー・スタディーズ)と個人的記憶
記憶研究と集合的記憶
ナショナル・ヒストリーとナショナリズム
グローバル化とグローバル・ヒストリー
一般のひとの位置や役割とは?
コミュニカティヴな実践としてのパブリック・ヒストリー
おわりに──歴史学の二一世紀へ
本書を要約すると
ランケ学派、強し
高等学校「歴史総合」教科書を読みなおす・その1──本文
高等学校「歴史総合」教科書を読みなおす・その2──本文以外
歴史学の二一世紀へ
参照あるいは言及した文献
あとがき