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内容説明
歴史書は勝者が書いたものだ。朝廷に「反逆者」とされた者たちの史跡を辿り、地域の埋もれた歴史を掘り起こすと、見えてきたのは地元で親しまれる姿だった。古代史ブームをけん引した第一人者が晩年に遺した傑作。
【目次】
はじめに
一 饒速日命と長髄彦
二 タケハニヤス王とミマキイリ彦の戦争(前篇)
三 タケハニヤス王とミマキイリ彦の戦争(後篇)
四 狭穂姫と狭穂彦
五 熊襲の八十梟帥と日本武
六 剱御子としての忍熊王
七 莵道稚郎子と大山守
八 飛騨の両面宿儺
九 墨江中王と曽婆訶理
十 大日下王と押木珠縵
十一 市辺忍歯別王と皇子たち
十二 筑紫君石井
十三 物部守屋大連
十四 崇峻天皇と蜂子皇子
十五 山背大兄王と一族の死
十六 蘇我氏四代 稲目、馬子、蝦夷、入鹿
十七 有間皇子と塩屋連このしろ
十八 大津皇子と高市皇子の運命 壬申の乱
十九 大友皇子の死とその墓
結 まとめにかえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
16
亡くなられて早10年ほど経つ森先生の著作。記紀において敗者や賊として語られた古代の人々の実像に迫り、既存の見方に一石を投じて大変面白い。飛騨の両面宿儺を除いては、天皇の系統やその外戚として権勢を振った物部氏や蘇我氏にまつわる考察。豊富な実地踏査経験により、掲題の通り争闘が起き勝者と敗者が生じた古代の軍事を中心に取り上げた人物達が往来したであろう畿内や九州一帯の土地と古墳等を明確に取り上げ、長い時が隔てる古代における人々の躍動を身近に感じさせてくれる文章は見事。手元に携えて奈良や大阪を巡りたくなる一冊。2022/10/27
ふたば
11
著者がとても熱意をもって取り組んだ作品であるとのこと。随所に著者の考えがちりばめられており、その内容に確かな思い入れを感じる。敗者は歴史から排除される。悪として取り上げられ、決して日の目を見ない。それは真の歴史ではない。敗者の側からの歴史を取り上げることには大きな意義があると思う。現在存在する歴史書を疑い、考古学を重んじ、フラットな目線で事象を見極めることが肝心だと感じた。2023/06/27
はちめ
8
日本古代史において逆賊などとされている人に注目することにより日本書紀などからだけではうかがい知ることができない歴史上の事実に迫ろうという試み。19の小論すべてが正しいということではないだろうが、正史が覆い隠そうとした事実を暴き出す契機にはなりうるかもしれない。 一方で本書はやや読みにくい面がある。というのは当時の天皇(大王)の名前が、原則として神武天皇などの漢風諡号ではなく、和風諡号で表現してあるからだ。漢風諡号は後につけられたもので日本書紀などには記されていないので、そうあるべき表記ではある。☆☆☆☆★2022/11/13
やす
6
敗者の歴史を学ぶには、まずベースとして勝者の歴史を知っていないといけない。この本は敗者の視点から歴史を書き直したところが売りだが、古代史の知識が無さすぎて視点の違いを楽しめなかった2023/06/17
keisuke
5
両面宿儺が読みたかった。2022/12/23
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