沖縄をめぐる言葉たち - 名言・妄言で読み解く戦後日本史

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沖縄をめぐる言葉たち - 名言・妄言で読み解く戦後日本史

  • 著者名:河原仁志
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 毎日新聞出版(2022/09発売)
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  • ISBN:9784620326368

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内容説明

戦後75年――。
62の言葉が、この国の実像を照らし出す。
沖縄には言葉がある。もう少し正確に言えば、沖縄という地に関わった人たちの言葉は深く、重い。こんな場所は日本中どこをめぐってもないだろう。それは沖縄の歴史が人に考えることを促すからだ。 ――「はじめに」より

日本で唯一の地上戦が繰り広げられた沖縄。戦後末期から、終戦につづく米統治時代、さらに本土復帰を経て昭和、平成、そして令和の現代へ。沖縄をめぐって、どんな言葉が生まれたのだろうか? 62の言葉をとりあげ、その背景や意味をさぐって時代を読み解く。

目次

第1章 沖縄戦の残影
●「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」
――大田實・海軍少将
●「混乱と無秩序の中にも、最も愛する者、弱い者の命から先に絶って行くといった一つの筋道、順序みたいなものがあった」
――金城重明・沖縄キリスト教短大教授

第2章 米統治の闇
●「軍政府はネコで、沖縄はネズミである。ネコの許す範囲しかネズミは遊べない」
――J・ワトキンス米海軍少佐
●「天皇は米国が沖縄その他の琉球諸島の軍事占領を継続するよう希望している」
――昭和天皇に関するGHQ覚書
●「なんのかんばせあって、沖縄県民に相まみえんや」
――平良幸市・立法院議員
●「一リットルの水も、一握りの砂も、一坪の土地もアメリカのものではない」
――瀬長亀次郎・沖縄人民党書記長

第3章 本土復帰の騒乱
●「私は沖縄の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって『戦後』が終わっていないことをよく承知しております」
――佐藤栄作首相
●「総理、あなたもしばらくは山中を指揮することはおやめ下さい」
――山中貞則・総理府総務長官
●「歴史の検証が出来ないんですよ、何も (中略)日本は隠し事が多いから」
――西山太吉・元毎日新聞記者

第4章 昭和の葛藤
●「この極端な不均衡のなかで、両者の言い分を平等に取り上げることが果たして客観的、中立、公平を言えるのか」
――豊平良顕・沖縄タイムス相談役
●「思はざる病となりぬ 沖縄を たづねて果たさむ つとめありしを」
――昭和天皇

第5章 平成の胎動
●「行政をあずかる者として、本来一番に守るべき幼い少女の尊厳を 守れなかったことを心の底からおわびしたい」
――大田昌秀・沖縄県知事
●「ナンクルナイサは本土で、まったく通用しなかった」
――我喜屋優・興南高校野球部監督

第6章 普天間の虚実
●「最低でも県外の方向で、われわれも積極的に行動を起こさなければならない」
――鳩山由紀夫・民主党代表
●「こういった話がされること自体が日本の国の政治の堕落ではないか」
――翁長雄志・沖縄県知事
●「仲井真さん、弾はまだ一発残っとるがよ」
――菅原文太・俳優
●「民主主義というのは選挙こそ原点じゃないですか」
――菅義偉官房長官

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ほっしー

12
終戦直前から現在までの沖縄を巡る言葉たちをまとめた本書。冒頭の太田實と島田叡の言葉が特に胸に響いた。軍人と知事という業務のために地元ではない沖縄に赴任した2人が、沖縄を思って残した言葉は重みが違う。最後の自分の地元でこのようなことが起こったらどうするのかという問い。当たり前の言葉だけど大事なことだ。想像力を働かせることはつい面倒になってしまうけど、おろそかになってはいけない。想像力を持っていれば、いろんな物事が少しは円滑になるのではないかな。2020/09/10

spatz

10
320ページが濃い。なので、時間がかかった。章立てが細かいので細切れでも読めるのはよかった。力強い力を放つ本。思いがあふれる。取材者の熱い魂をかんじる。沖縄を論ずれば、その歴史を論ずれば、必ず、闘争の話になる、そして必ず政治の話になる。政治の話はタブーという風潮が否めないこの国で、子供たちに何をどう語るのか。英語を学び国際人たれといわれる。しかしひとたび外国語で話をすれば、おまえはどう考える?政治の話にも自然になる。その矛盾。ものいへば。。 #NetGalleyJP2020/09/21

かみーゆ

2
大田實の「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」から政治家、文化人、天皇まで、沖縄の歴史を紐解く上で重要な62の言葉たちを取り上げ、その背景や真意を解説した一冊。少しずつゆっくり読ませていただきました。初めて知った言葉もいっぱいあって勉強になりました。いい本ですね。高校の副読本とかで使って欲しいくらいだ。菅さんとかもちゃんとフラットに書かれてるし、偏りがない視点が素晴らしい。そんな中でもダメだと言われる鳩山由紀夫。。まあ沖縄問題を見える化させたと言えないこともないんでしょうけれど。2022/09/02

Honnomushi 年間100冊 shibari

2
【読書会の課題本として読了】 一つ一つの言葉とその背景を知れば知るほど「せつなさ」と言うか、何とも言えないもどかしさの気持ちがふつふつと涌き出てきた。この本をきっかけに沖縄関連の本を何冊か読んだ。沖縄が抱えている「問題」は日本が抱えている「問題」である、という思いを強くした。2020/09/06

amanatsu

2
1945年の沖縄戦司令官・太田實海軍少将から2019年の「辺野古」県民投票の会代表・元山仁士郎まで、軍人、政治家、作家、社会運動家等色々な人々が発した多くの言葉の中からの一部を拾い上げ、そこから私たちの沖縄と日本の戦後史への認識を覚醒させてくれる書物だ。巻末の付録では、太田實少々の電報に続き、2018年の沖縄戦没者追悼式で当時中学3年史だった相良倫子さんが朗読した詩「生きる」が全文載っていて心を打つ。その後の年表では、掲載された「言葉」の所収ページが示されているのも良いアイデアだと思う。2020/08/29

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