ちくま学芸文庫<br> なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

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ちくま学芸文庫
なめらかな社会とその敵 ──PICSY・分人民主主義・構成的社会契約論

  • 著者名:鈴木健【著者】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • 筑摩書房(2022/10発売)
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  • ポイント 390pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480511201

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内容説明

来たるべき300年後の社会を実行可能な形で構想した画期的試論、ついに文庫化! この複雑な世界を複雑なまま生きることはいかにして可能か――。これが本書の中心にある問いだ。生命の起源から説き起こし、膜と核の問題が社会制度と地続きであることが、最初に示される。社会の〈なめらかさ〉とは、膜の機能を弱め、諸物が連続的なつながりをなすネットワークへと開いていくことにほかならない。それは、情報技術の支援の下、貨幣・投票・法・軍事というコアシステムの変革によって実現される。近代のメジャーバージョンアップだ。巻末には、原著刊行後に顕在化した問題を俯瞰する新論考を付し、本書の現代性と可能性をあらためて照射する。

目次

はじめに/文庫版によせて/第Ⅰ部 なめらかな社会/第1章 生命から社会へ/1.1 複雑なまま生きる/1.2 膜と核/1.3 私的所有の生物学的起源/1.4 オートポイエーシス:生命システムと環境/1.5 人工物としての社会制度/1.6 責任なき社会,自由意志なき社会/第2章 なめらかな社会/2.1 権力者と組織/2.2 ソーシャルネットワーク/2.3 網,膜,核/2.4 ステップ,フラット,なめらか/2.5 なめらかな社会/第Ⅱ部 伝播投資貨幣PICSY/第3章 価値が伝播する貨幣/3.1 貨幣の共通性と多様性/3.2 PICSY:フローベースの代替通貨/3.3 PICSYは実際に利用可能か/第4章 PICSYのモデル/4.1 一般的な評価システムとしての静的モデル/4.2 貨幣システムとしての動的モデル(自己評価法)/4.3 カンパニーとその仮想性/4.4 中央銀行法/4.5 仮想中央銀行法/4.6 3つの方法の比較/4.7 まとめ/第5章 PICSY,その可能性と射程/5.1 PICSYは何をもたらすか/5.2 PICSYの実現/5.3 実現への批判とそれへの反論/5.4 応用/5.5 なめらかな社会としてのPICSY/第Ⅲ部 分人民主主義Divicracy/第6章 個人民主主義から分人民主主義へ/6.1 ネットは民主主義を再発明できるか?/6.2 近代民主主義が抱える問題とその突破/第7章 伝播委任投票システム/7.1 伝播委任投票システムの実現/7.2 課題/7.3 分人民主主義の意義/7.4 なめらかな社会としての分人民主主義/第Ⅳ部 自然知性/第8章 計算と知性/8.1 万能機械主義の時代:1936年~/8.2 身体環境主義の時代:1968年~/8.3 ネットワーク主義の時代:1995年~/8.4 社会知性:コンピュータとしての社会/第9章 パラレルワールドを生きること/9.1 メディアとは何か/9.2 ゲームと労働/第Ⅴ部 法と軍事/第10章 構成的社会契約論/10.1 問題の所在/10.2 構成的社会契約への道/10.3 構成的社会契約試論/10.4 私が政府である社会/第11章 敵/11.1 シュミットの銀河系/11.2 オートポイエーシスと友敵論/11.3 公敵なき社会/終章 生態系としての社会へ/参考文献/あとがき/初出一覧/なめらかな社会への断章 2013-2022/文庫版 謝辞/人名索引/事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

逆丸カツハ

43
読書の最大の醍醐味というのは、自分がはるか遠く及ばない知性の前に圧倒されることだと思う(やせ我慢もややありますが)。自分にとって本書はそういう本だった。謎の残る壮大な自然を前にしたような、素晴らしい読書でした。2025/05/05

アナクマ

30
私の読解はすべて見当違いかもしれない、という悲しい前提で。◉「この世界に境界が引かれていることへのナイーブな違和感…そもそも境界自体を消し去り、なめらかな社会をつくることはできないのだろうか。複雑な世界を複雑なまま生きることを可能にする新しい秩序、それがなめらかな社会である」「認知/対策コストの問題から、私たちは複雑な世界を複雑なまま観ることができず、国境や責任や自由意志を生み出してしまう」。社会制度(貨幣、投票、戦争)をなめらかにする構想を「数学的に、人々にとって想像できるかたちで提示した」書。→2025/08/10

アドソ

10
タイトルに惹かれて読んだけど、いやまあ難しいです。難しいというより、最初の線形代数の部分が曖昧模糊としていて中途半端。着想のエッセンスを伝えようとしているのだろうけれど、これだけでは理論的に正しいのかどうかさえ判断できない。後半に行くにしたがってだんだん面白くなってきた。1人の人間をいくつもの個に分ける発想は面白いし、すでにSNSでの別人格や、メタバースでのアバターとして実現しつつあるといえるのでは。でもどれもこれも最初の線形代数の成否にかかっているかと思うと、もう少し厳密に吟味しなくてはと思う。2023/11/20

Sayaka Nakano

7
人間の所有欲を細胞膜と核の構造まで落とし込んで考察し、多様性を保持したまま社会を継続させる仕組みや方法についてあれこれ提案していく感じの内容。めちゃ面白いけど語られる社会像に人の善意や悪意によって起こる行動の乱数、渋滞学的な管理不能さ、目的と違った技術利用をすぐに始める人々の独創性などが加味されてなさすぎて机上の空論ぶりがマルクスの本読んでるみたいだった。事件の起こらないSF世界のディストピア感。ただ、机上論だとしても論としては面白いしこういう発想が実際の私達の世界を耕して、少しずつ変えていくんだなと。2023/05/20

Pustota

7
細胞の「膜」と「核」の構造をフラクタルのように拡張して、社会の分断や制度の硬直化を論じるのが面白かったし、その背後の見えなくなっている「網」としての世界を取り戻すためのシステムというアイディアも面白かった。計算式は力不足で全く読み解けなかったし、実現性・実効性がどれほどあるのかはわからないけれど、それを別としても物事の見え方が変わる刺激的な本だった。技術はそれ自体は世の中を良くするものではなく、使う人間たちの努力が一番大切。2023/02/09

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